太りやすい人ほど筋トレで「細マッチョ」は簡単に手に入る
第2回 まずは大きな筋肉が集中する下半身を鍛えて脂肪を燃焼!
松尾直俊=フィットネスライター
たるんだお腹を引っ込めるため、筋力低下を防ぐため、いつまでも自分の足で歩くため、「筋トレ」に取り組む人は多い。だが、いくらがんばっても成果が感じられない、という声もよく聞く。特に太りやすい体質の人は、少しさぼると体形がすぐ戻るので、モチベーションが維持しにくい。だが、日本体育大学准教授の岡田隆さんによると「そんな人ほど実はチャンス」だという。その理由は…?

前回は、筋トレでなかなか成果が出ない理由として、「自分の体に合ったフォームで行っていない」「重さや回数にとらわれすぎている」「負荷が足りていないのに、回数をこなして安心している」「可動域が狭いまま筋トレをしている」という4つについて解説した。また、関節の可動域を広げ、ケガを予防するために筋トレの前に行うストレッチも紹介した。
今回と次回は「実践編」として、具体的にどのようにして筋トレを行えばいいのかを、日本体育大学准教授で柔道全日本男子チームの体力強化部門長でもある岡田隆さんに指南してもらおう。今回は、「太りやすい体質の人」向けの筋トレだ。
体脂肪を落とせば「細マッチョ」は簡単に実現できる
ストレスや食べ過ぎ、運動不足…。理由はさまざまだが、人は誰しも30代半ばを過ぎると太りやすくなる。体重超過は、そのまま生活習慣病をはじめとしたさまざまな疾病の原因になる。そのため、健康寿命を延ばすためにも、体脂肪を減らし、バランスの取れた体になる必要がある。
しかし、「筋トレでたるんだお腹を引っ込めよう」と思っても、前回述べたような理由からなかなか目に見えた成果が出ないと、筋トレを継続するモチベーションが下がってしまう。太りやすい体質の人は、少しトレーニングをさぼるとまたぜい肉がつき始めるので、「どうせ自分には無理か…」と諦めてしまいがちだ。
ところが、そのような体質の人ほど筋トレが効果的に行えるはずだという。
「体重があるということは、筋肉を鍛える絶好のチャンスだと考えてください。自分の体重が重りになるので、自重筋トレでも十分な負荷をかけることができます」と岡田さんは言う。
「また長い期間、脂肪をまとってきた人ほど、その重りによって筋肉がすでに、ある程度ついています。よく、トレーニングジムの宣伝で、肥満の方が数週間、あるいは数カ月で“細マッチョ”になるという例がありますが、あれは脂肪に隠されていた筋肉が露わになったのだと考えてください」(岡田さん)
筋トレに励むとともに、食事を変えたり、有酸素運動を取り入れたりすることで体脂肪を削れば、思いのほか簡単に「筋肉質な体」を実現できるという。