女性に多い「腹圧性尿失禁」は、骨盤底筋を鍛えて治す!
第2回 女性の尿トラブルはこう解決
伊藤和弘=フリーランスライター
40代以降の男女が悩む「頻尿」「尿漏れ(尿失禁)」の原因や、セルフケアのコツを紹介する本特集。前回は、永弘クリニック院長の楠山弘之氏への取材に基づき、男女別に主な尿トラブルとその原因を見てきた。今回は女性編として、自分でできる尿失禁対策を紹介しよう。
男性よりも尿道が短い女性は、お腹に力が入った拍子に尿を漏らしてしまうことが多い。これが腹圧性尿失禁で、尿漏れ(尿失禁)の中でも最も多いパターンだ。原因は、骨盤の底で子宮や膀胱を支えている骨盤底筋が衰え、尿道を締める力が弱くなっていること。
「加齢、運動不足、喫煙でも骨盤底筋は衰えますが、特に出産は大きな影響を与えます。産後、お腹に力を入れると尿が少し漏れるようになってしまったという女性は少なくありません。骨盤底筋が衰えると、尿道だけでなく膣の緩みも起こってきます」と永弘クリニック(埼玉県新座市)院長の楠山弘之氏は話す。

だが、安心してほしい。数ある尿失禁の中でも、腹圧性尿失禁は最も自力で治しやすいのだ。「腹圧性尿失禁なら、骨盤底筋を鍛える“尿失禁体操”を根気強く続けるだけで7割以上は改善します。若い人はもちろん、80歳の人でも効果があります」と、楠山氏は明言する。