筋肉こそ生命活動の原動力。筋肉が活動的になれば、代謝が活性化し、健康で元気な体になります。世の中にはいろいろな「筋肉の常識」がありますが、すべて正しいとは限りません。本連載では、筋肉博士・石井直方先生が、筋肉の正しい知識をやさしく解説していきます。今回のテーマは「バーベルとダンベル」について。いずれも筋トレの超定番ですが、得られる効果にどのような違いがあるのでしょうか。
ダンベルはバーベルに比べて動きの制限が少なく、どんな軌跡でも持ち上げられます。トレーニングの際は、自分で決めた軌跡に沿って、ユラユラしないように真っ直ぐに上げなければいけません。
ということは、ダンベルの方がたくさんの細かい筋肉の力を必要とします。つまり、スタビリティー向上の効果があります。

細かい筋肉を使わなければいけない分、持ち上げられる負荷は小さくなります。ベンチプレスで100kg上がる人でも、ダンベルを片手に50kgずつ持ってプレスをするのは絶対に無理。せいぜい両手で三分の二の重さ。片手で持てるのは三分の一ほどになります。90kgのベンチプレスが上がる人なら、ダンベルプレスは片手30kgほどがマックスということですね。これがバーベルとダンベルの一つの違いです。