筋肉こそ生命活動の原動力。筋肉が活動的になれば、代謝が活性化し、健康で元気な体になります。世の中にはいろいろな「筋肉の常識」がありますが、すべて正しいとは限りません。本連載では、筋肉博士・石井直方先生が、筋肉の正しい知識をやさしく解説していきます。今回のテーマは「有酸素運動の継続時間」について。有酸素運動を連続してやるのと、休み休みやるのでは、どちらがいいのでしょうか。
エアロビックトレーニング(有酸素運動)は連続してやるより、休み休みやった方がいいのでしょうか?
これは本当です。休み休みやった方がいいのです。
エアロビックは強度の低い運動ですから、エネルギーの消費量も低い。できるだけ長く続けて、トータルでエネルギー消費量を増やしましょうというのが、これまで常識とされてきました。いったん脂肪に火がついたら、途中で火種を消さずに燃やし続けましょうというわけです。

でも、この説は本当に正しいのでしょうか。一度脂肪が分解されはじめたら、途中で運動をパッとやめたとしても、分解しつづけるのではないか。この点に注目した私たちは、さっそく実験を行なってみました。
すると、同じ1時間の運動をしても、途中で30分休憩を入れた方が、1時間ぶっ通しで運動するより、30%ほど脂肪の代謝の割合が高かったのです。この結果からすると、エアロビック運動では、むしろ途中で休みを入れた方がいいということになりますね。
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