筋肉こそ生命活動の原動力。筋肉が活動的になれば、代謝が活性化し、健康で元気な体になります。世の中にはいろいろな「筋肉の常識」がありますが、すべて正しいとは限りません。本連載では、筋肉博士・石井直方先生が、筋肉の正しい知識をやさしく解説していきます。今回のテーマは「水泳のトレーニング効果」について。水泳で筋肉を鍛えるなら、どんな方法が効果的なのでしょうか。
水泳は全身運動だから、筋肉がまんべんなく鍛えられるという話はよく聞きますね。水の抵抗を感じながら体を動かすわけですから、確かに筋力トレーニングとしての効果はあります。

ただ、ひと口に水泳と言っても、泳ぎ方によって負荷のかかるポイントは変わってきます。全身の筋肉を鍛えようと思ったら、クロールと平泳ぎのようにパターンの違った泳ぎ方を組み合わせた方がいいでしょう。できれば1種目だけで終わらず、少なくとも2種目は行なった方が効果的だと思います。
トレーニングとして水泳を行なう場合、一つ問題点があります。本来、水泳はいかに水の抵抗を少なくして効率的に泳ぐか、ということが醍醐味です。力任せに水をかいて進んでいくことは、競技的な視点で言えばダメな泳ぎ方ですよね。つまり、いかに筋肉を使わずに泳ぐかが重要。
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