筋肉こそ生命活動の原動力。筋肉が活動的になれば、代謝が活性化し、健康で元気な体になります。世の中にはいろいろな「筋肉の常識」がありますが、すべて正しいとは限りません。本連載では、筋肉博士・石井直方先生が、筋肉の正しい知識をやさしく解説していきます。今回のテーマは「してはいけない」トレーニング。思いつきで新しいトレーニングを試したくなることがありますが、効果やリスクはどうなのでしょうか。
「してはいけない」トレーニング、その一つは“思いつき”のトレーニングです。「こういう動きをしたら、トレーニングになるんじゃないかな」などと素人考えで運動したり、筋肉に不自然な負荷をかけることはやめた方がいい。トレーニングに関する卓越した知識を持っている人なら話は別ですが、多くの場合、効果が出ないだけでなく、ケガにつながる危険性も高くなります。

自分でトレーニング法を編み出してやろう、なんてことはあまり考えない方がいいでしょう。とくに試合直前にそういったトレーニングを取り入れてしまうと、致命的になる場合もあるので気をつけてください。
もう一つは、競技動作に直接負荷をかけるトレーニング(第109回参照)。これもケガの要因になるものです。