筋肉こそ生命活動の原動力。筋肉が活動的になれば、代謝が活性化し、健康で元気な体になります。世の中にはいろいろな「筋肉の常識」がありますが、すべて正しいとは限りません。本連載では、筋肉博士・石井直方先生が、筋肉の正しい知識をやさしく解説していきます。今回のテーマは、季節や時間帯によるトレーニング効果の違いについて。最適な季節、そして時間帯というのはあるのでしょうか?
今回はトレーニングをするのに適した季節、そして時間帯について見ていきましょう。
まず季節については、強い疲労を感じずにトレーニングをこなせる時期が最も適していると言えるでしょう。夏の暑い時期は誰でも疲れやすいものです。少し涼しい時期の方が筋力アップや筋肉づくりはしやすいでしょう。しかし、これは地域によって若干変わってきます。たとえば、冬に氷点下を大きく下回るような地域は、その時期に充実したトレーニングは難しいかもしれません。

ただし、個人差もあります。中には、他人が暑くてバテバテになっている時が好きという人もいます。その時期に自分は伸びそうだと思ったら、夏場のトレーニングが合っているのかもしれません。
春と秋は一般的に運動に適していると言われます。しかし、季節の変化が激しい時期が苦手という人もいます。経験によって自分のタイプを分析し、得意な季節を知ることが重要です。
得意な季節がわかったら、その時期にいかに貪欲に筋力を伸ばすか。そこが最大の勝負になります。5kg伸びるところを、がんばって10kg伸ばす。そういう努力や工夫が大切です。