筋肉こそ生命活動の原動力。筋肉が活動的になれば、代謝が活性化し、健康で元気な体になります。世の中にはいろいろな「筋肉の常識」がありますが、すべて正しいとは限りません。本連載では、筋肉博士・石井直方先生が、筋肉の正しい知識をやさしく解説していきます。
筋持久力を高めるには、一般に軽い負荷で多くの回数を繰り返すトレーニングが必須と言われています。持久力と瞬発力を同時に高めることはできないのでしょうか。
瞬発力のためのトレーニングを繰り返していれば、ある程度は筋肉の持久力も向上します。筋力がアップしているのに、スタミナがまったくアップしないということはありません。

ただ、スタミナにもいろいろなタイプがあります。最大筋力を1回発揮した後、5分休んでもう一度同じ筋力を出すというタイプのスタミナ。半分ぐらいの力を何回続けて出せるかというスタミナ。この二つはちょっと違います。瞬発力のトレーニングで得られるスタミナは基本的には前者です。
90%1RM(第39回参照)以上の負荷を5回程度しか上げないようなトレーニングを繰り返していても、軽い負荷を30~50回上げるようなスタミナはつきません。持続時間の長いスタミナをつけようと思ったら、どうしても軽い負荷で30~50回といった回数を繰り返すトレーニングが必要になります。