筋肉こそ生命活動の原動力。筋肉が活動的になれば、代謝が活性化し、健康で元気な体になります。世の中にはいろいろな「筋肉の常識」がありますが、すべて正しいとは限りません。本連載では、筋肉博士・石井直方先生が、筋肉の正しい知識をやさしく解説していきます。今回は、トレーニングの「慣れ」の防ぎ方について詳しく見ていきましょう。
トレーニングの「慣れ」は誰もが突き当たる問題で、同じトレーニングばかり続けていると3~4カ月で体は慣れてしまい、伸びも止まってしまいます。

それを避けるためには、ピリオダイゼーション(周期化)が重要です。ピリオダイゼーションは、試合に向けてトレーニングの周期を期分けし、強度や量を変えていくというだけではありません。広義では、メニューやトレーニング法などを一定期間ごとに変えていくことを言います。
トレーニングのやり方や種目は同じで、スタイルを少し変えるだけでもOKです。たとえば、ある一定期間は反動を一切使わないストリクトでトレーニングする。これ以上は伸びそうもないなと思ったところで、反動を使ったチーティングスタイル(第101回参照)で重い負荷を上げるようにする。それをしばらく続けたら、またストリクトに戻す。そういった変化を3~4カ月ごとにつけてみるのです。