筋肉こそ生命活動の原動力。筋肉が活動的になれば、代謝が活性化し、健康で元気な体になります。世の中にはいろいろな「筋肉の常識」がありますが、すべて正しいとは限りません。本連載では、筋肉博士・石井直方先生が、筋肉の正しい知識をやさしく解説していきます。今回のテーマは、筋力強化に適した年齢について。筋肉をつけるなら若いころがいいと思う人が多いと思いますが、実際にはどうなのでしょうか。

何歳になっても、その年齢に応じた適切なトレーニングをすれば、筋力をアップさせることは可能です。
ただ、「生涯最高の筋力を出したい」となった場合、ピークの年代はあります。昔と比べると少しずつ後半にシフトしていますが、おそらく25~30歳の間ぐらいでしょう。
筋力やパワーが求められる競技で最高のパフォーマンスを発揮し、世界の舞台に立ちたいという夢のある人は、25~30歳に照準を合わせて、計画的に体をつくっていくと成功する可能性が高くなると思います。アテネオリンピックのハンマー投げで金メダルを取った室伏広治選手などは、その好例と言えるでしょう。