筋肉こそ生命活動の原動力。筋肉が活動的になれば、代謝が活性化し、無駄な脂肪が落ち、健康で元気な体になります。世の中にはいろいろな「筋肉の常識」がありますが、残念ながらすべて正しいとは限りません。本連載では、筋肉博士・石井直方先生が、筋肉やトレーニングの正しい知識をやさしく解説していきます。第14回のテーマは「筋感覚」について。筋肉にはたくさんの感覚器があり、成長ホルモンの分泌などさまざまな役割を担っています。
突然ですが、「筋感覚」という言葉をご存じでしょうか?
筋感覚とは筋肉の中にある感覚器による感覚受容のこと。「筋肉は感覚器」と言っていいくらい、私たちの筋肉の中にはたくさんの感覚器があります。

その中で、昔から研究が進んでいるのが「筋紡錘」。筋肉の長さを感受する自己受容器で、筋肉が伸びた時に「引き伸ばされた」という信号を中枢に向けて送る役目をしています。また、筋紡錘に対して「腱紡錘」という感覚器もあって、有名な解剖学者の名前を取って「ゴルジ腱器官」とも呼ばれています。