筋肉こそ生命活動の原動力。筋肉が活動的になれば、代謝が活性化し、健康で元気な体になります。世の中にはいろいろな「筋肉の常識」がありますが、すべて正しいとは限りません。本連載では、筋肉博士・石井直方先生が、筋肉の正しい知識をやさしく解説していきます。今回のテーマは「ふくらはぎの鍛え方」について。ふくらはぎの筋肉は、遺伝的要素や若い頃のスポーツなどの影響が大きいようです。
ふくらはぎは、筋肉の中でも生まれつきの資質に左右される筋肉です。ですから、トレーニングをしたからと言って、すぐ大きくなるものではありません。かのアーノルド・シュワルツェネッガーも、ボディビルダー時代はふくらはぎの細さを気にして、毎日厳しいトレーニングをしていたそうです。
でも、人と比べてふくらはぎが発達していないからと言って、それほど悲観することはないと思います。黒人のスプリンターは、みんなふくらはぎが細いですよね。つまり、ふくらはぎのサイズと脚力が、それほど強く関係しているわけではないのです。

黒人のシャープなふくらはぎをサラブレッドとすると、日本人はなんとなく農耕馬的なふくらはぎの人が多い。これはふくらはぎを構成する筋肉の形状によるものです。ふくらはぎの筋肉は、内側・外側の腓腹(ひふく)筋と、その下にあるヒラメ筋で構成されています。
日本人は、全般的に腓腹筋の内側頭が大きく、外側が比較的小さい。なんとなくペロッと1枚の腓腹筋のように見えてしまう人がほとんどです。しかも、その下にあるヒラメ筋が広くて長いので、どこか鋭さがないように見えてしまうのでしょう。
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