筋肉こそ生命活動の原動力。筋肉が活動的になれば、代謝が活性化し、健康で元気な体になります。世の中にはいろいろな「筋肉の常識」がありますが、すべて正しいとは限りません。本連載では、筋肉博士・石井直方先生が、筋肉の正しい知識をやさしく解説していきます。今回のテーマは、悩む人が多い「腰痛」について。腰痛を改善するエクササイズはあるのでしょうか。
腰痛と言っても、いろいろなケースがあるのでひと口には言えませんが、椎間板ヘルニアを起こしていてオシリや足がしびれているという場合は、へたにエクササイズはやらない方がいいでしょう。しかし、いわゆる慢性的な腰痛、あるいはぎっくり腰などを改善させるエクササイズはあります。

腰が痛いという時は、痛くない方向に運動するのが基本。これは、心地良い方向に体を動かして筋骨格系の歪みを取る「操体法」という矯正法の応用です。背中を後ろに反ると痛い、前に曲げるのは痛くないという場合は、シットアップのような腰を前に曲げる運動をたくさんやります。
逆に前に曲げると痛い、反るのは楽という場合は、バックエクステンションのような後方に反る運動をやるといいでしょう。あまり重い負荷をかけるのは避けた方が賢明ですが、軽く何回か行なうと即効的な痛みの改善には効果的です。