筋肉こそ生命活動の原動力。筋肉が活動的になれば、代謝が活性化し、健康で元気な体になります。世の中にはいろいろな「筋肉の常識」がありますが、すべて正しいとは限りません。本連載では、筋肉博士・石井直方先生が、筋肉の正しい知識をやさしく解説していきます。鍛えたい部位ごとにトレーニング日を分けたいことがありますが、こんなときはどう分けるのがいいのでしょうか。
部位ごとにトレーニング日を分けることをスプリット・ルーティンと言います。

分けやすさで考えると、「上半身・下半身」でしょう。ベンチプレスとスクワットを同じ日にやろうとすると、トレーニングのボリュームがかなり大きくなり、心理的なストレスも増えてしまいます。その結果、どちらかにエネルギーが偏ってしまう可能性もあります。下半身を一生懸命やりすぎて、上半身をやる前に疲れてしまうこともあるでしょう。「今日はベンチプレス、明日はスクワット」となると、ずいぶん楽です。
ただ、1日で拮抗筋(第59回参照)をバランス良く鍛えるということは、あまり考えなくていいと思います。バランスは大事ですが、それは長期的な視野で見ればいいでしょう。