筋肉こそ生命活動の原動力。筋肉が活動的になれば、代謝が活性化し、健康で元気な体になります。世の中にはいろいろな「筋肉の常識」がありますが、すべて正しいとは限りません。本連載では、筋肉博士・石井直方先生が、筋肉の正しい知識をやさしく解説していきます。今回のテーマは「トレーニングマシンの効果の違い」について。一般的なウエイトスタック式と空気圧マシンでは、効果にどんな違いがあるのでしょうか。
積み上げられたプレートにピンを差し込んで負荷を調節するウエイトスタック式は、一番ポピュラーなマシンですね。空気圧マシンは自転車の空気入れのようなもので、空気が圧縮する時の抵抗を負荷として使っています。空気ではなく油が入っている油圧マシンというのもあります。メカニズムは空気圧マシンと同じですが、空気より粘性が高いので、より抵抗が強くなります。もう一つ、電磁抵抗マシンというのがあり、これは電気的なブレーキをかけることで負荷を高めるタイプです。

ウエイトスタック式は最も原始的ですが、筋肉に対する負荷はフリーウエイトに近い形で最も素直にかかります。一方、流体抵抗を使った空気圧・油圧マシン、電磁抵抗マシンは、押し込む時は抵抗がありますが、離したところで抵抗が止まってしまいます。負荷が重力で落ちてこないので、エキセントリック(第42回参照)な動作がないのです。