筋肉こそ生命活動の原動力。筋肉が活動的になれば、代謝が活性化し、健康で元気な体になります。世の中にはいろいろな「筋肉の常識」がありますが、すべて正しいとは限りません。本連載では、筋肉博士・石井直方先生が、筋肉の正しい知識をやさしく解説していきます。今回は、ピラティス、ヨガ、ストレッチポール、バランスボールなどの効果を見ていきましょう。
ピラティスは、もともと第一次世界大戦の時に負傷兵に対して行なわれたリハビリ。体幹深部筋というコアの筋肉を動かすことで、機能回復を早めることが目的でした。それが最近になってリバイバルされてブームになっています。
これは現代人がリハビリが必要なほど体がおかしくなっているという証拠かもしれません。コアの筋肉をしっかりつくることで、脊柱や骨盤や肩甲骨などの骨の並びを自然に戻すこと。それによって全身的に健康になることが、現代のピラティスの主な目的でしょう。

ストレッチの要素と呼吸を重視するヨガも、ピラティスと目的は同じだと思います。脳科学でも、腹式呼吸をしていると脳が活性化されることがわかってきています。呼吸法と体幹の深部筋をうまく使うことを組み合わせ、いろいろな姿勢を取ることで、体の歪みを矯正したりバランスを整えていきます。
ピラティスもヨガも筋力トレーニングというより、ボディバランスを整え、普段眠っているコアの筋肉を活性化するのがポイント。健康を考えるのであれば十分に効果的でしょう。