筋肉こそ生命活動の原動力。筋肉が活動的になれば、代謝が活性化し、健康で元気な体になります。世の中にはいろいろな「筋肉の常識」がありますが、すべて正しいとは限りません。本連載では、筋肉博士・石井直方先生が、筋肉の正しい知識をやさしく解説していきます。今回のテーマは「おなかを引っ込める運動」について。多くの人が気にする「おなかまわり」を効果的に引き締めるエクササイズとは?
キーポイントは深部腹筋、その中でも、とくに大腰筋です。皮下脂肪を落とそうとする前に大腰筋をしっかり動かすだけで、ウェストが10cm以上細くなる人がいます。なぜそうなるのでしょう。

おなかの中は基本的に空洞で、胃や腸が自由に動くスペースが確保されています。その空洞の形が変だったり、骨盤や腰椎の姿勢が崩れていて内臓が下に落ちている人は、おなかが出っ張ってしまいます。
しかし、余分なスペースがある分、細くするのは比較的簡単です。深呼吸をしたり、モノをたくさん食べただけでも、ベルトがキツくなったりしますよね。逆に力を入れてヘソを引っ込めれば、おなかはグッと内側にへこみます。その状態を、意識しなくても維持できればいいわけです。
大腰筋を意識したトレーニングをすると、その周辺の脊柱起立筋や大臀筋、中臀筋といったコアマッスルも使うことになります。その結果、前や後ろに倒れていた骨盤が真っ直ぐ立ち、本来あるべき場所に戻ってくるのです。
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