筋肉こそ生命活動の原動力。筋肉が活動的になれば、代謝が活性化し、健康で元気な体になります。世の中にはいろいろな「筋肉の常識」がありますが、すべて正しいとは限りません。本連載では、筋肉博士・石井直方先生が、筋肉の正しい知識をやさしく解説していきます。今回のテーマは「腹筋」。おなか回りが気になる人なら最初に鍛えたいと思うのが腹筋ですが、効率良く鍛えるにはどうすればいいのでしょうか。
腹筋は、いくつかの層に分かれています。表面にあり、鍛えることでボコボコと割れる部分が腹直筋。その下に外腹斜筋、内腹斜筋があり、その下の第4層に腹横筋があります。

この腹横筋は腹巻のように真横に走っていて、おなか全体を覆うような状態になっています。表層の腹筋群の中では一番奥にある筋肉で、その奥には内臓、そのさらに奥には大腰筋などの深部腹筋があります。
腹横筋は、おなかの姿勢を維持するためにひじょうに重要な役割を担っています。これがゆるんでくると、おなかがポコンと出てきてしまう。しっかりと腹横筋が働いていると、腹部が前に出てこないように、また内臓が下に落ちてこないように、サラシのようにおなかを締めてくれます。