筋肉こそ生命活動の原動力。筋肉が活動的になれば、代謝が活性化し、健康で元気な体になります。世の中にはいろいろな「筋肉の常識」がありますが、すべて正しいとは限りません。本連載では、筋肉博士・石井直方先生が、筋肉の正しい知識をやさしく解説していきます。今回のテーマは「子供のトレーニング」について。子供の筋肉づくりにはどんなトレーニングがいいのでしょうか。
自重トレーニングは、方法によっては筋肉を大きくできますし、効果的な筋力トレーニングになります。ただ、トレーニングによって筋肉が太く強くなるのは、基本的には思春期を過ぎた頃から。小学生が筋力トレーニングをやっても、筋肉がモリモリすることはまずありません。子供のトレーニングの場合は、まずケガをしない筋肉づくりを目指すべきでしょう。この目的であれば、自重トレーニングはかなり有効だと思います。

子供らしい運動と言えば、縄跳びや跳び箱を思い浮かべますよね。でも、一見、外から大きな負荷がかかっていないように見える縄跳びや跳び箱も、じつはジャンプの瞬間にすごく大きな筋力発揮が起こっていて、筋力が十分に発達していないと、筋肉や骨に大きなストレスがかかりケガをしてしまう危険があります。
実際、最近では子供が縄跳びで骨折してしまうケースも増えているそうです。ゲームやパソコンなど、室内遊びをする子供が増えている今、子供らしい運動や体の動きがしっかりできるための基礎的な体づくりが、とても大事になってきているのです。