筋肉こそ生命活動の原動力。筋肉が活動的になれば、代謝が活性化し、健康で元気な体になります。世の中にはいろいろな「筋肉の常識」がありますが、すべて正しいとは限りません。本連載では、筋肉博士・石井直方先生が、筋肉の正しい知識をやさしく解説していきます。今回のテーマは「自重トレーニング」について。スクワットなどの自重トレーニングで、どこまで筋肉を大きくできるのでしょうか。
腕立て伏せや懸垂、バーベルを持たないスクワットなど、自重(自分の体重)を使ったトレーニングを続けるだけでも、それなりの肉体はつくれます。ただ、ボディビルダーのような隆起した筋肉をつけるのは難しい。自重トレだけでボディビルのコンテストに出るのは、まず不可能です。

筋肉の肥大を目的とする場合、どうしてもあるレベル以上の負荷が必要になります。たとえば、腕立て伏せで大胸筋を大きくしようとすると、30回以上できるようになったら、それ以上の肥大は望めません。回数を増やしていけば筋持久力は伸びますが、50~60回という回数に達したら、もう現状のトレーニングだけでサイズを大きくするのは無理です。
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