筋肉こそ生命活動の原動力。筋肉が活動的になれば、代謝が活性化し、健康で元気な体になります。世の中にはいろいろな「筋肉の常識」がありますが、すべて正しいとは限りません。本連載では、筋肉博士・石井直方先生が、筋肉の正しい知識をやさしく解説していきます。今回のテーマは「骨の筋肉の関係」について。骨の太さは筋肉のつきやすさに影響するのでしょうか。
まず、骨の太さが、そのまま骨の強さにはならないということを覚えておいた方がいいでしょう。

たとえば、黒人は骨密度が高いという研究報告があります。決して太くはないけれども、強くて硬いそうです。細くて硬い材料のところに筋肉がつけば、コンパクトにまとまっていながら質のいい腕や脚ができる。だから、黒人のアスリートはパフォーマンスが高いという考え方もあります。ということで、骨が太いから筋肉がつきやすいとか筋力が高いとは、一概に言えないと思います。
ただ、骨と筋肉、そして脂肪の三つは、起源としてはとても近いものです。そもそも同じ細胞の塊からできていて、いわば親戚みたいな関係です。ですから、運動によって骨がどのように変化・成長するかという問題と、筋肉がどのように成長して太くなっていくかという問題は、かなり共通点が多いと思います。骨格ががっちりしている人に、なんとなく筋肉質の人が多いのも、こうした理由からかもしれません。
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