筋肉こそ生命活動の原動力。筋肉が活動的になれば、代謝が活性化し、健康で元気な体になります。世の中にはいろいろな「筋肉の常識」がありますが、すべて正しいとは限りません。本連載では、筋肉博士・石井直方先生が、筋肉の正しい知識をやさしく解説していきます。今回のテーマは「バルクアップ」、筋肉量を増やすことです。筋肉量が増えると筋力も上がるのでスポーツで有利と思いがちですが、必ずしもそうではないこともあるようです。
バルク(bulk)とは「量」という意味ですから、バルクアップとは単純に言って、筋肉量を増やすこと。ボディビル用語として定着している言葉です。

筋肉の完成度を競うボディビルのコンテストでは、大きく分けると「バルク」、すなわち筋肉量、「ディフィニション」、皮下脂肪が少なく筋肉にキレがあるかどうか、「プロポーション」、筋肉がバランス良くついているかという三つの審査要素があり、その中でも一番の基本がバルクです。
ブルース・リーの体はバルクというよりディフィニションにすぐれていますが、ボディビルの競技では、やはりバルクがあった上でキレ味がよく、さらに均整が取れていれば申し分なしということになります。