筋肉こそ生命活動の原動力。筋肉が活動的になれば、代謝が活性化し、健康で元気な体になります。世の中にはいろいろな「筋肉の常識」がありますが、すべて正しいとは限りません。本連載では、筋肉博士・石井直方先生が、筋肉の正しい知識をやさしく解説していきます。今回のテーマは「打ち身」について。どんなときに起こる現象で、回復・軽減するにはどうすればいいのでしょうか。
「打ち身」とは、単純に言うと、体に強い衝撃で物が当たることによって、毛細血管が破れて、皮下出血や内出血が起きる現象です。

打ち身とひと口に言っても、ヒリヒリと表面が痛いこともあれば、筋肉の内側がズキズキする場合もあります。ヒリヒリの方は、表面が内出血している状態。ズキズキの方は、強い打撃が深部まで伝わって、筋肉の中で損傷が起きている状態です。この痛みは、メカニズムとしては筋肉痛と同じ。実際、筋肉痛の研究をするために、高いところから鉄の球を落としてバシッと筋肉をたたき、その後の回復過程を見るという実験が行なわれることもあります。
ということで、打ち身を早く回復させたい時も、筋肉痛と同じようなことに注意すればいいと思います。痛みが残るようなら、筋肉痛と同じくストレッチをして、血行を良くするのが一番です。