年齢とともに、男性ホルモンの低下から、体調が優れない、イライラする、よく眠れないという症状が表れる。こうした状態を放っておくと、身体機能の低下やうつ病、メタボリック症候群などの病気リスクが高まってしまう。男性ホルモンについて正しく理解し、どのように生活習慣を改めれば男性ホルモンが増え、ハツラツとした生活を取り戻せるのかについて、5つのポイントにまとめて紹介しよう。
テーマ別特集「男性ホルモン」
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「何となく体調が優れない」「イライラする」「よく眠れない」…。病気というほどではないけれど、そんな不調を訴える中高年男性は多い。しかし、大半の人が「仕事が忙しいから」「疲れているから」と、何も手立てを講じていないのが実情だろう。
そんな症状が出るのは男性ホルモン(テストステロン)の低下による男性更年期障害が進行しているかもしれない。
男性ホルモンは、人生の後半戦に入った男性が、その後の人生を健やかに、そして長く生きるための重要な鍵となる存在だ。日経Goodayではこれまでも、男性ホルモンが低下する仕組みや、生活習慣を改めて男性ホルモンを増やすための方法について解説してきた。
そこで今回の「テーマ別特集」では、男性ホルモンを増やすポイントについて、以下の5つにまとめて紹介していこう。
- 1 睡眠
- 2 食事
- 3 運動
- 4 友人に会う
- 5 趣味
(※関連記事の一覧は最終ページに紹介しているので、より詳しく知りたい人はそちらもご覧ください)。
中途覚醒は男性ホルモン低下のサイン
男性ホルモンというと“下半身”の話と思う人も多いだろう(もちろん、男性としてそこも重要なポイントだが)。それだけでなく、近年の研究で男性ホルモンが少ない人は脳梗塞や心筋梗塞などの疾患リスクが上がることも分かってきている。さらに、がんに罹患する割合も上がるという。
「1939年にアメリカのウェルナー博士が『男にも更年期障害がある』とする説を報告しています。しかし、なかなか認知されなかったのが事実です」と言うのは、日本Men's Health医学会理事長で順天堂大学大学院・泌尿器外科学教授の堀江重郎さんだ。
「40代半ばを過ぎた男性の多くは、全身倦怠感や不眠、発汗異常に感覚異常、性欲減退など、女性の更年期障害とよく似た症状、いわゆる不定愁訴を感じ、不調を訴え始める人が多いのです。また、メンタル面での問題が起き始める人もいます」と語る堀江さんは、男性専門の医療が必要だと考え、2002年に日本で初めて男性更年期に特化した外来を始めた。
男性が年齢とともにどんな体の不調(変調)を感じるようになるのか、食事や運動、生活習慣と不調の関係はどうかというテーマについて、日経Goodayの登録会員にアンケート調査を実施した。
その調査結果によると、どのような不調(変調)を感じるかという質問に対しては、「尿意で夜中に起きてしまう」と答えた人が最も多く、38.1%に上った。それに、「午後眠くなる」「ED、朝立ちがない」などが続く。