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第3波を乗り切るためのコロナ対策

最も重要なのは「飛沫感染」が起こる場面を避けること

 日経Gooday編集部

インフルエンザ、肺炎球菌…今あるワクチンを味方につけよう

 新型コロナウイルスは、感染しても無症状のままで終わる人も一定数いることが分かっている。同じウイルスが体の中に入ってきても、重症化してしまう人と、発症すらしない人に分かれるのはなぜなのか。その理由は、その人の持つ「免疫力」の違いにある。

 免疫は、ウイルスや細菌などの病原体から体を守る大切なシステム。病原体が体に入ってくると、誰もが生まれながらに持つ「自然免疫」が働き、たとえそこを乗り越えた病原体がいても、今度はそれを「獲得免疫」が迎え撃つ。獲得免疫は生まれながらに備わっている自然免疫とは異なり、病原体との戦いを経て鍛えられ、その病原体のことを記憶して(抗体を作って)次の侵入に備えるという高度な機能を持っている。

 では、これらの免疫力を高めるにはどうすればいいのだろうか。

インフルエンザや肺炎球菌の予防接種も新型コロナ防衛策の1つになりそうだ。(C) adiruch-123RF

 大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授の宮坂昌之さんは、「それ単独で免疫を増強させる食品やサプリメントは皆無に近いと思われます」と話す。宮坂さんによると、科学的エビデンスのある免疫増強法としてお勧めできるのは、肺炎球菌による肺炎や、インフルエンザなど、ワクチンがある感染症についてはワクチンを接種することだという。

 ワクチンを接種する機会の多い子どもは、自然免疫と獲得免疫がそのたびに刺激され、訓練されている。子どもが新型コロナに感染しにくく重症化しにくいのは、そのことが一因ではないかと宮坂さんは話す。しかし、年をとってワクチン接種の機会が減ると、免疫が訓練される機会も減ってしまう。「高齢者も、毎年秋にインフルエンザ、そして肺炎球菌のワクチンを所定の時期にきちんと受けておけば、その病気の発症や重症化を防ぐだけでなく、免疫を訓練するという恩恵があるかもしれません」(宮坂さん)

 実際に、インフルエンザなどの予防接種を受けている人は、新型コロナに感染しにくい、あるいは感染しても重症化しにくい可能性があることが報告されている(関連記事「インフルエンザ予防接種がコロナの重症化リスク減少に関係」)。

 既にいくかの新型コロナウイルス用のワクチンが臨床試験を終え、実用化の日が近づいているが、現時点ではまだ接種を受けることができない。現時点でできる自己防衛策として、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチン(所定の接種年齢に該当する場合)を打っておくことは有効かもしれない。

血液やリンパの流れを良くして免疫力を高める3つのポイント

 これらのほかに、体の防衛能力を高めるためにできることとして、宮坂さんは「血管系やリンパ系の流れを良くすること」を勧める。

 「免疫に関わる細胞であるリンパ球は、血管とリンパ管を介して、病原体が侵入するリンパ組織(リンパ節や扁桃など)に出たり入ったりを繰り返し、全身をパトロールしています。ということは、リンパ球が病原体と出会う確率が高くなれば、病原体を撃退しやすくなります。そこで、リンパ球が全身を循環しやすいよう、血液やリンパの流れを良くすればいいわけです」(宮坂さん)

 血液やリンパの流れを良くするには、「過度のストレスを避ける」「適度な運動をする」「体温を少し上げる」の3つが主なポイントだという。ストレスがたまるとコルチゾールという副腎皮質ホルモンがたくさん作られる。コルチゾールは免疫系に関わるすべての細胞の数を減らしてしまうホルモンなので、ストレスがたまると免疫の働きが落ちてしまう。適度な運動を行うと、心拍数が増えて血液やリンパの流れが良くなる。さらに、「運動によって筋肉や骨を動かすと、サイトカインが適量作られ、免疫の仕組みが潤滑に機能するのです」と宮坂さんは話す。

 体温を上げることにも、血液やリンパの流れを良くする効果がある。風邪をひくと熱が出るが、「発熱はリンパ球の働きを高めるための防御反応の1つであり、体温が少し上がると免疫の力は全体的に高まると考えられています」と宮坂さん。体温を少し上げるためには、適度な運動に加えて、入浴もお勧めだ。これらのポイントを意識しながら、感染予防に努め、この第3波を乗り切っていこう。


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