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第3波を乗り切るためのコロナ対策

最も重要なのは「飛沫感染」が起こる場面を避けること

 日経Gooday編集部

 著者らはさらに、これまでに公開された症例報告やクラスター報告から得られたエビデンスとして、「新型コロナウイルスの主要な感染経路は、飛沫などに含まれたウイルスが鼻や口から入る経気道感染であり、感染者からの距離と換気の程度が、感染リスクの大きさに重要な影響を与える」としている。

 たとえば、電車内での感染の事例では、感染者の座席からの距離と、感染者と同じ車両内に滞在した時間が、感染リスクと密接に関係していた。また、フィットネス教室では、無症状の感染者であるインストラクターが狭い空間で多くの人とともに高強度の運動(息が荒くなる運動)を行ったクラスではクラスターが発生したが、少人数の生徒にピラティスを教えたクラスでは、二次感染は起こらなかった。

 換気の有無によるリスクの差も報告されている。中国の研究では、窓を開けていた家庭では、そうでなかった家庭に比べ、新型コロナウイルスの家族間の感染が少なかった。また、換気不良は、バーや教会などでの多くのクラスターの発生と関連づけられている。

感染者からの距離と換気の程度が感染リスクに大きく影響することが、さまざまな報告から裏付けられている。(C)Andriy Popov-123RF
感染者からの距離と換気の程度が感染リスクに大きく影響することが、さまざまな報告から裏付けられている。(C)Andriy Popov-123RF

本物のウイルスを使った実験でマスクの予防効果が明らかに

 飛沫感染を防ぐ上で、最も重要なのは三密(密集・密接・密閉)環境の回避だが、同時に強い味方となってくれるのが「マスク」だ。新型コロナウイルスが出現した初期のころは、マスクの主な効果は、感染した人がつけることで「周囲にうつさない」こととされてきたが、非感染者がつけることで「うつされない」効果も期待できることが分かってきた。これを実証したのが、東京大学医科学研究所の研究グループが、本物の新型コロナウイルスを使って行った実験だ(*2)。

 同グループは、口の部分に穴をあけたマネキンの頭部2つを、対面させた状態で密閉可能なケースに設置し、一方(排出側)から、霧状にした本物の新型コロナウイルスを、軽い咳と同じくらいの速度(2m/秒)で20分間放出させ、もう一方(吸入側)に接続した人工呼吸器のフィルターにどれくらいのウイルスが集まるかを測定した。

 このシステムを用いて、さまざまな条件設定の下で吸入側のウイルス量を測定したところ(*3)、ウイルス排出側がマスクをしていなくても、吸入側がマスクをしていれば、吸入するウイルスの量は減少する傾向が見られた(下表)。つまり、非感染者の日常的なマスクの着用が、感染防御にある程度有効であることが示唆されたのだ。

50cmの距離で「ウイルス吸入側のみマスク着用」の場合
吸入側着用マスクの種類力価RNA量
マスクなし参照参照
綿マスク17%*37%*
サージカルマスク47%*50%
N9557%*86%
N95(隙間を密閉**)79%90%
*参照との間に統計学的有意差なし **粘着テープを使ってマスクと顔の間の隙間を全て密閉
*2 Ueki H, et al. mSphere. 2020 Oct 21;5(5):e00637-20.
*3 力価(ウイルス力価)は、感染性を持つウイルスの量のこと。N95は、医療現場で用いられるフィルター性能の高いマスクのこと。
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