年末年始や年度の変わり目など、宴会が増える季節に、楽しくお酒を飲みながらふと頭をよぎるのが、「体重の増加」と「気になる検査値への影響」ではないだろうか。暴飲暴食が続くとさまざまな検査値に影響が及ぶ。今回は、働き盛りの世代に身近な「尿酸値」「血糖値」「中性脂肪」を上げないための、宴会での上手な飲み方・食べ方のコツをまとめた。
テーマ別特集「お酒と尿酸値・血糖値・中性脂肪」
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毎日の晩酌は欠かせないという人はもちろん、普段はそこまでお酒を飲まない人でも、宴会が続く季節は自然と酒量が多くなり、暴飲暴食を重ねがち。そうなると気になるのが「体重の増加」と、「検査値への影響」ではないだろうか。
「尿酸値が高くて、いつ痛風になるかとビクビクしている」
「この前の健康診断で血糖値が上がっていたな…」
「お酒は飲みたいけど、中性脂肪を増やしたくない!」
…そんな働き盛りのGooday読者のために、今回は、「尿酸値」「血糖値」「中性脂肪」の数値を上げないための、宴会での上手な飲み方・食べ方のコツを、過去の人気記事からまとめてみよう。
尿酸値が気になる人はビールを避けるべき?
お酒が好きな人、特にビール党が気になる検査値の代表といえば、「尿酸値」ではないだろうか。健康な人の尿酸値は5.0~6.9mg/dL程度だが、この値が7.0mg/dLを超えてくると「高尿酸血症」と呼ばれ、血液中の尿酸が結晶化しやすくなる(図1)。
結晶化した尿酸は関節にたまって炎症を起こし、やがて足の指、膝などに激しい痛みを引き起こす。これが痛風の発作だ。痛風は正確には「痛風関節炎」といい、その痛みは「風が吹いただけで痛む」というほどの激痛だという。
尿酸値が高い人がもれなく痛風発作を起こすわけではない。だが、尿酸値が高くなるほど、痛風発作を起こすリスクは高まっていく。それだけではない。尿酸値が上昇するにしたがって、糖尿病や高血圧、脂質異常症などを合併する人が増え、腎機能が低下したり、尿路結石ができやすくなったりする。無症状だからといって、尿酸値の上昇を放置していると危険なのだ。

この尿酸は、プリン体という物質から作られる。プリン体は、細胞内の核酸を構成する物質の1つで、細胞の中に必ず含まれている。尿酸は体内のプリン体が分解されるときに生じる老廃物だ。プリン体の7~8割は体内で作られ、残り2~3割が食品から取り込まれる。このため、血液検査で尿酸値が高い人は、プリン体を含む食品や飲料を控えたほうがいいといわれる。
100g当たりに200mg以上のプリン体を含むものを高プリン体食品という(図2)。高プリン体食品は、動物の内臓や魚の干物などに多い。お酒ではビールが代表格だ。

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- ビールだけを控えても意味がない
