トイレに行く回数が多い、くしゃみをすると少し漏らしてしまう、突然尿意に襲われて我慢できない…。女性の尿の悩みは、「頻尿」や「尿漏れ(尿失禁)」が多いのが特徴だ。その主な原因は、出産などを機に起こる骨盤底筋の衰えや、膀胱が過剰に収縮してしまう過活動膀胱。これらを改善するにはどうすればいいのだろうか? 関連記事から重要ポイントをピックアップして、コンパクトにご紹介しよう。
テーマ別特集「女性の尿漏れ」
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トイレに行く回数が多い、くしゃみをすると少し漏らしてしまう、深夜に必ずトイレに起きる、突然尿意に襲われ、トイレに間に合わない……。
年齢を重ねると、こういった尿のトラブルに悩まされる人が増えてくる。医学的には起床から就寝までに8回以上トイレに行くことを頻尿、自分の意志に関係なく尿が漏れてしまうことを尿失禁と呼ぶ。

トイレが近いこと自体は、命にかかわる問題ではない。それでも、実際に頻尿や尿失禁がある人の悩みは深い。「乗り物に長く乗ることが不安だったり、夜中に頻繁にトイレに起きることで同室者に気兼ねする、といった理由で旅行に行けないという人も多い。恥ずかしいという気持ちが強く、医療機関を受診できずに1人で悩みを抱え込んでいる人も少なくありません」。泌尿器科を専門とする永弘クリニック(埼玉県新座市)院長の楠山弘之氏は、そう話す。
日本排尿機能学会が40歳以上の男女約1万人を対象に行った疫学調査(解析対象数4570人)では、回答者の2人に1人が頻尿、7割が夜間頻尿(夜間に1回以上トイレに行く)の症状があると答えた(*1)。男性は、前立腺肥大の影響で頻尿になったり、尿の出が悪くなったりすることが多いが、女性の場合、頻尿や尿漏れ(尿失禁)が多いのが特徴だ。
今回の「テーマ別特集」では、女性を悩ませる頻尿や尿漏れ(尿失禁)の原因や対処法の重要ポイントを、関連記事からピックアップしてお届けする。
(※関連記事の一覧は最終ページに紹介しているので、より詳しく知りたい人はそちらもご覧ください)。
尿道の短い女性は、男性よりも尿漏れを起こしやすい
男性の場合、頻尿になったり突然の尿意を感じることはあっても、実際に漏れてしまうことは少ない。これは、男性の方が尿道が20cm程度と長いためだ。一方、女性の尿道はわずか3~4cm。男性のように出にくくなることは少なく、逆にちょっとしたはずみで膀胱に溜まっている尿が漏れやすいという特徴がある(図1)。