腰痛は日本人の国民病とも言える身近な症状だ。特に問題なのは、原因がはっきりしない、「なんだか知らないけど、いつの間にか…」始まってしまう「慢性腰痛」だ。長年にわたって慢性腰痛で悩む人は少なくない。そこで、今回は長引く腰痛の解消が期待できる体操を一挙紹介する。
中高年になると、誰でも何かしら体の不調を感じるようになる。「肩がこる」「頭痛がする」など、よくある症状の中でも特に多いのが「腰痛」だ。腰痛を自覚症状として挙げる人の割合は、男性は1位、女性は2位であり、男女を問わず多い(下図)。

この国民病とも言える腰痛、治りにくく、慢性化する人が多い点が厄介だ。「整形外科に行っても、『特に異常はないから様子を見ましょう』と言われるだけだ」「年だから腰が痛いのは当たり前」、そう思ってあきらめている人もいるだろう。
あるいは、体が硬い、腰周辺の筋肉が足りない、などの理由で腰痛が生じると考え、ストレッチや筋トレに励んだけれど、なかなか腰痛が改善しないという人もいるだろう。
だが、あきらめるのはまだ早い。腰痛の改善策に関する誤解を解消し、適切な方法をとれば、改善できる可能性はある。このテーマ別特集では、過去の好評記事を基に、腰痛の解消に効果が期待できる体操を紹介していく。
腰痛に関する数々の情報、中には誤っているものもある
まず、知っておきたいのが、世の中に出回っている腰痛改善のクチコミ情報には正しいとは言えないものもある、ということだ。
腰痛治療に詳しい、さかいクリニックグループ代表の酒井慎太郎さんは、「腰痛について誤った知識を持つ人がたくさんいます」と指摘する。酒井さんは、プロ野球選手やプロボクサーなどのトップアスリートをはじめ多くの腰痛患者に接してきた柔道整復師(*1)。酒井さんによると、腰痛への勘違いは後を絶たないという。