数あるがんの中でも、ミドル以上のビジネスパーソンが最も気にするがんは「大腸がん」だろう。近年、大腸がんの増加が問題になっており、毎年約5万人もの人が大腸がんで命を落としている。しかし、大腸がんは早期発見であれば治る確率が高いがんでもある。だからこそ、早期発見がとても重要となる。本テーマ別特集では、大腸がん検査の最新事情、手術法、そして大腸がんを遠ざける食生活について紹介していく。
今や大腸がんによる死亡者数は約5万人に!

数あるがんの中でも、ミドル以上のビジネスパーソンの多くが気にするがんというと「大腸がん」ではないだろうか。
大腸がんは、腸にできものができる「腫瘍性腸疾患」の代表的な病気。自覚症状がほとんど表れないのが特徴だ。大腸がんの死亡率は男女ともに右肩上がりで増えており、毎年5万人もの人が命を落としている。
大腸がんの発症は、50歳代から増え始め、年齢が上がるとともに発症率は高くなっていく。国立がん研究センターが発表したデータによると、大腸がんは女性のがん死亡数のトップになっている。男性は3位、男女計で2位だ(いずれも人口動態統計によるがん死亡データ、2016年)。働き盛りからシニア世代まで、生涯かけて注意を払いたいのが大腸がんといえる。
かつて大腸がんは欧米に多いと言われていたが、近年は日本でも大きな問題となっている。大腸がんが増える要因として、食生活の欧米化や高齢化などが指摘されている。2015年に赤身肉・加工肉のリスクがマスコミなどで報道されて、話題になったことは記憶に新しい。
一方で、大腸がんは、他のがんに比べて悪性度が高くないことが多く、治療法が確立したがんでもある。つまり、早期発見できれば治りやすいがんなのだ。このため、検査をして早期発見することが極めて重要になる。そこで、今回のテーマ別特集では、大腸がん検査の最新事情、手術法、そして大腸がんを遠ざける食生活などについて解説していく。