健康寿命を延ばす! 生活習慣の新常識
医学的に実証された運動、栄養、睡眠、心理の新習慣とは
石原 藤樹=医師、北品川藤クリニック院長
単に長生きするだけではなく、良い健康状態を維持しながら長く生きるために、どのような日常生活を送ればいいのか─。健康寿命に関する医学研究が進むにつれ、これまで常識的に「良いこと」とされてきた生活習慣が実は逆効果だった、といったエビデンス(科学的・医学的な根拠)が明らかになりつつある。So-netのブログ「健康」ジャンルで1位を取り続ける人気ブロガーで、医師・医学博士の石原藤樹氏に、運動、栄養、睡眠、心理の4領域で明らかになった新常識を解説してもらった。

私たちは誰でも「健康で長生きをしたい」と思います。以前は医学の世界では、単純に余命が延長することを「長生き」として、それが良いことの指標だとしてきましたが、最近では健康寿命、つまり介護などの必要がなく、痛みなどに苦しめられることなく自立して生活ができる期間を重視するようになりました(関連記事「知ってるつもり? 健康寿命のウソ・ホント」)。
この健康寿命というのは、寿命が長い、ということとともに、脳卒中や骨粗しょう症による骨折によって寝たきりになったり、認知症が進行して理性的な判断ができなくなったりしない、ということを意味しています。健康寿命を延ばすためには、認知症や寝たきりの予防が、実は非常に重要なのです。
それでは、運動、栄養、睡眠、心理の4つの観点から、健康寿命延長のための生活習慣のエビデンスをみてみたいと思います。