飲んだ後のカラオケはこんなにリスキーだった
喉の乾燥、タバコ、むくみに要注意
葉石かおり=エッセイスト・酒ジャーナリスト
酒好きな人にとって年末年始は「忘年会」や「新年会」でお酒を飲めるありがたい季節。この時期、酒席の最中や翌朝に、声が出にくくなったり、喉の調子がおかしくなったり、というトラブルを経験したことはないでしょうか。お酒を飲んだとき、喉には大きな負担がかかり、カラオケがそのリスクを加速させるのです。

こんにちは、酒ジャーナリストの葉石かおりです。「忘年会」や「新年会」で楽しくお酒を飲み、またカラオケで気持ちよく持ち歌を披露したいという人もいるでしょう。
今回は、そのカラオケについて。実は、お酒を飲んだ後のカラオケには、大きなリスクが潜んでいて、喉のトラブルにつながりやすいのです。『酒好き医師が教える最高の飲み方』という私の著書のなかから、東京ボイスクリニック品川耳鼻咽喉科院長の楠山敏行さんに聞いた、喉とアルコールについてのお話を紹介しましょう。
「酒やけ」はお酒のせいじゃなかった

連日のように忘年会・新年会に参加して、深夜や翌朝までという“フルコース”を楽しんでしまったりすると、翌日、声が出にくい、かれているといったトラブルを経験したことが、誰しも一度はあるのではないでしょうか。
年季の入った“水商売のベテラン女性”ではありませんが、長年、アルコールを愛飲した人には、独特の「しゃがれ声」の持ち主が多いように思います。
この、しゃがれ声の原因を「酒焼け」、つまり「アルコールで声帯が潰れた」と信じている人は少なくないかもしれません。ところが、こうした一般的に思われている「酒焼け」という言葉は、実は、医学的見地から見ると、存在しないものなのです。
ウイスキーなど、アルコール度数の高いお酒を飲むと、喉がチリチリと焼けるような感覚があります。そのためなのか、飲酒後にハスキーな声になることを、昔から「酒焼け」といいます。ですが、楠山さんによると、「実際、アルコールが声帯に及ぼす直接的な影響はありません。声がれに直接関係しているのは、主に喫煙であることが多い。クリニックを訪れる患者も例外ではありません」というのです。