運動強度を高める切り札は「インターバルウォーキング」
【応用編】第3回 細切れでも脂肪は燃焼する!
松尾直俊=フィットネスライター
著名フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんに聞く、「絶対に運動効果が得られるウォーキング」。ウォーキングを本格的な運動としてやっていくには、「歩き力表を作って徐々に運動強度を高めていく」こと、そして、「レベル別にコースを設定して歩き分ける」ことが有効だということを解説してきた。最終回は、ジョギングへの移行のきっかけにもなる「インターバルウォーキング」のやり方とその効果について解説してもらおう。
今、ウォーキングをしておくと、将来の健康寿命も延びる
「5年前からウォーキングをしています、という方と話したことがあります。聞けばその人は、その間、全く変わらないペースで歩いているそうです。しかし、今の世の中を考えてみてください。技術の発達によって、体を動かさなくてもできることが増えて、生活活動レベルはどんどん下がっています。5年も経てば、加齢に伴い筋肉量も落ちてきます。それなのに運動強度や運動量が変わらないのであれば、トータルの活動量は下がっているということになります。つまり、中高年になったら、意識的に運動負荷を高めていかないと、健康寿命を延ばすことができないのです」(中野さん)
そこで、ウォーキングで健康を維持しようというのであれば、これまで解説してきたように、より高い強度を得るための工夫が必要になってくる。「特に現在40~50代の人は、将来の健康のためにも、今、運動をして筋肉の維持に努めておかないといけません。将来はもっと便利な世の中になっていくはずです。すると生活の中での活動量がもっと減って、何もしないでいるとさらに筋力や体力が弱くなってしまいます」と中野さんは警鐘を鳴らす。つまり、運動をすることは、貯蓄と同じように、将来のための“貯筋”だと考えたほうがいい。
ジョギングが難しければ「インターバルウォーキング」を
「そういった観点で、トレーナーの立場から正直に言うと、本当はウォーキングを入り口として、最終的にはジョギングやランニングにまで入っていってほしいのです。さらに欲を言えば、筋トレも合わせてやってもらいたいですね」と中野さん。
「ただ、それが難しいというのであれば、ウォーキングの中で強弱を付けて行う、『インターバルウォーキング』を取り入れるといいでしょう。長い距離になると、ずっと歩幅を広げて速いスピードで歩き続けるのはキツくなってくると思います。そこで、あそこの信号まではスピードウォーキングをして、次の信号までは普通に歩こう、という具合に、緩急をつけたウォーキングを繰り返していくのです」(中野さん)