肩、腰、脚の疲れに「症状別3分ストレッチ」
第4回 効かせたい筋肉をイメージできれば簡単、スッキリ!
友吉由紀子=医学・健康ジャーナリスト
前回「睡眠の質向上、疲労回復には『静的ストレッチ』が効く!」は、疲労回復や快眠に効果的な静的ストレッチを、早稲田大学スポーツ科学学術院教授の広瀬統一氏に聞いた。今回は、肩凝り、腰痛、脚の疲れなど、日ごろ気になる体の症状軽減に役立つ、正しいストレッチを紹介する。どれも3分くらいで行える簡単なものなので、ぜひ覚えて実践してみてほしい。
仕事で1日中座りっぱなしで腰がだるい、ストレスや精神的な緊張で肩コリがつらい…。こんなときには、何気なくストレッチを行って一息つくという人も少なくないだろう。
「腰がだるい」と腰をそらすように伸びをする人、「肩が凝った」と肩を押さえて腕をぐるぐる回す人―。これらはよく見かける光景だが、「いずれも、やってはいけないストレッチなので注意して」と広瀬氏は警告する。
こんなストレッチはNG!
- 長時間のデスクワークなどで腰がだるく感じたときに、腰をいきなり反らす
- 肩が凝ったときに肩を押さえながら腕をぐるぐる回す
そこで同氏に、症状別の正しいストレッチを紹介してもらった。
1 腰がだるくて痛いとき
1日中座りっぱなしなど、同じ姿勢を長時間維持していると、どうしても腰に負担がかかってしまう。「腰が凝り固まってだるさや痛みを感じるときに、いきなり腰をそらすようなストレッチを行うと、ぎっくり腰などを引き起こす恐れもあり危険です」と広瀬氏は言う。それでは、正しいストレッチはどうすればよいのか。
「腰痛には、猫背タイプと反り腰タイプの2つがあり、それぞれ伸ばすべき部位が異なります」と広瀬氏は説明する(下図)。
「猫背タイプの人は、お腹から胸と、お尻から太もも裏の筋肉が縮んで固くなっています。一方、反り腰タイプの人は、腰と鼠径部(足の付け根部分)の筋肉が縮んでいます。これらの部位を伸ばすようなストレッチをするのが効果的です」と広瀬氏は説明する。
では、それぞれのストレッチの方法を紹介しよう。