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明日は変えられる。

【PR】男性も他人ごとではない「貧血」と「腎臓」の深~い関係

高地トレーニングが創薬のヒントに

 荒川直樹=科学ライター

 大きさは握り拳ほど。腰の上あたり、背骨をはさんで左右1個ずつある臓器。それが腎臓だ。血液を濾過して尿をつくり、老廃物や塩分を排出する働きをしてくれていることはよく知られているが、腎臓にはそれ以外にも重要な働きがたくさんある。半面、なんらかの原因で腎臓の機能が衰えたときには、さまざまな合併症が起こってくる。「腎性貧血」も重要な合併症の一つだ。

 アステラス製薬プロジェクト推進部で、腎臓関連疾患治療薬の開発に携わっている川崎富久氏は「腎臓には、エリスロポエチンというホルモンを分泌して赤血球をつくり出すという作用がある。赤血球には酸素を運ぶ働きがあるため、この機能が低下すると腎性貧血になる」と解説する。貧血というと女性の病気と思いがちだが、腎機能の低下による貧血の発症には性別による違いはない。女性だけでなく男性にとっても注意が必要な貧血だ。

図1 腎機能の低下により貧血が起こるメカニズム
図1 腎機能の低下により貧血が起こるメカニズム

 しかも、腎性貧血は、いま増えているという。腎臓の働きが少しずつ悪くなっていく「慢性腎臓病(CKD)」の患者数が増えているためだ。「患者数は1330万人(*1)で、20歳以上の成人の8人に1人が相当します。新たな国民病ともいわれているのです」と川崎氏は話す。

*1 日本腎臓学会「CKD診療ガイド2012」より

日本では60万人が腎性貧血に

 CKDが恐ろしいのは、無症状のまま静かに進行し、早期の発見が難しいこと。しかも、病気がある程度進んでしまうと、健康な状態に回復させることは難しい。CKDは、腎機能に合わせてステージ1から5に分類されるが、機能が大きく損なわれた状態であるステージ5になると、体内から老廃物を除去できない状態(腎不全)となり透析が必要となる。「透析が必要なステージ5の患者さんでは、85~90%が腎性貧血を合併しています。その前のステージ3、4の患者さんを合わせると、日本にはおよそ60万人の腎性貧血患者がいると見積もられています」と川崎氏は言う。

 腎性貧血の症状は、女性に多い鉄欠乏性貧血など他の貧血と同様、疲れやすさ、動悸・息切れ、めまい、集中力の低下、たちくらみなど。命にすぐに関わらないながらも、こうした症状があると積極的に行動しようとする気力もそがれやすく、人生の楽しみも減りがちになりかねない。「腎性貧血は、患者さんのQOL(生活の質)を大きく低下させる重要な合併症」(川崎氏)といえるだろう。また、貧血は心臓などに負担をかけるため、治療せずに放置しておくと重篤な心血管系疾患を引き起こす恐れがある。

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