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ささいなことで怒らない「寛容力」のコツ

「暴走老人」予備軍にならないために、できること

「自分が正しい」にこだわりすぎない心の柔らかさを――『寛容力のコツ』の著者に聞く(第2回)

 柳本操=ライター

怒りにとらわれることは人生の主導権を明け渡すこと

「被害者意識が強い人ほど怒りっぽい」という指摘も、意外でした。怒っている人は、むしろ、誰かに嫌な思いをさせるという点で、加害者なのでは、と思っていたのですが。

下園さん 身に覚えがありませんか。イライラしているときというのは、決まって、「なんで私だけがこんな目に遭わなくちゃいけないの?」「こんなに頑張っているのに!」「自分ばかりが損してない?」という思いが心に渦巻いています。これは、原始人的に考えるとご理解いただけるはずです。

 原始人にとって、自分が頑張った労働への成果(食糧の分け前)が期待外れに少ないことや、自分だけが疲労してエネルギーがなくなること(戦闘力の低下)は憂うべきこと。なぜなら命の危機に直結するからです。

 だから、人は自分ばかりが損をしたり、苦労をしたりしていないかにとても敏感です。一生懸命手間と時間を費やして取り組んだ仕事を「あ、どうも」の一言ですまされた、しかも、その手柄を横取りされた、などという事態のときには、被害者意識がマックスになるのです。

なるほど、よく分かります(笑)。冷静になろうとしても、イライラしてしまいますね。

『寛容力のコツ』(三笠書房)
『寛容力のコツ』(三笠書房)

下園さん 一方、相手がミスを犯したまま、休暇に入ってしまった、にっちもさっちもいかなくなった事態の収拾を一方的に押しつけられた、というときもイライラしますよね。しかし、ここで冷静に考えることが大切。「どうして自分がやらなきゃいけないのか」と思い、相手が休暇から戻ってくるまでの1週間、何もせずに過ごすとしたら、相手が行動するまで、ずっとずっと、イライラは続くわけです。その間、あなた自身はどんどんエネルギーを消耗します。怒りは、エネルギーを非常に食う感情でもあるからです。

 でも、そうやって相手の出方を待ちながらイライラすることは、「自分が幸せになる権利を相手に依存する」ことでもあるといえます。だから私は、「怒りは自分で抑えないと損である。自分が主導権を持ち、自分で怒りを抑えることによって問題を解決する」というスタンスこそが寛容力を高めていく秘訣だと思うのです。

寛容力低下は「暴走老人」予備軍

よく分かります。ただし、「まず自分から折れる」というのがどうにも難しいことがあります。特に経験を重ねてある程度プライドがあるような人はその傾向が強そうです。

下園さん そうなんですよね。キャリアを積み重ね、年齢も重ねるとまさに「引く」のが難しくなる。私自身も相当、気をつけないといけないと思っています。寛容力が低くなる背景には、いくつかの要素があります。

 一つ目は「自分が正しい」という価値観が強すぎて、相手の価値観を認める柔軟性が失われること。異なる価値観を持つ相手と上手にコミュニケーションし、価値観をすりあわせるのはまさに経験を積み重ねた結果のスキルです。このスキルを鍛えながら年齢を重ねてきた人は、年を取るほど柔軟に、丸くなります。

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