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ささいなことで怒らない「寛容力」のコツ

元自衛隊「心理教官」が説く、不寛容にならないコツ

ちょっとしたことで怒ったり傷ついたりしない――『寛容力のコツ』著者に聞く(第1回)

 柳本操=ライター

まさに、「寛容力の低下」ですね。

下園さん この寛容力の低下に大きく絡んでいるのがネット環境だと私は考えています。数年前に、病院での対応に腹を立て、それを自身のブログにつづったところそれが炎上し、さらにはマスメディアも乗っかって個人攻撃した結果、自殺に追い込まれた議員さんがおられました。

 今、個人がそれぞれ、何らかの「怒り」を抱えているとします。そのときに、誰でも匿名で発言ができるネット環境があると、“炎上案件”に乗っかることで、ストレス解消になるのです。これは昔からの小さなコミュニティでは「スケープゴート」といわれた仕組みです。

 誰か一人をたたくことで、自分は浮き上がる。しかし、たたいた当人は次第に、「次は自分がそうなるかもしれない」と思い、他人を警戒しながら生きていかなくてはならなくなります。誰もが誰をも警戒する社会、それは社会全体の損失だと思うのです。

価値観の多様化によって「我慢」が増えている

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誰もが無意識のうちに「次は自分がたたかれるかも」という警戒心を感じている、ということですか?

下園さん そう考えています。ただ、もともと人間は本能的に「相手は自分を殺すかもしれない」と、そばにいる人間に対して警戒する特性を持っているのです。これは、自分の命を自分で守るためです。私は、感情のメカニズムを考えるとき、現代人の感情やそれによって生じる体の反応は、原始人の頃からさほど変わっていない、という考え方を基本としています。しかし、日本人は農耕社会で長くやってきたため、例えばアメリカの狩猟社会(現在は銃社会)とは異なり、「身近な環境にいる相手に対しては安心感を持っていい」という信頼感を持てていたはずです。

 ところが、ネット社会や、ストレス社会による疲労によって、人は周囲への警戒感を高めるようになりました。人に対する信頼、というものが失われ始めている。だからこそ寛容力を見つめ直す必要があるのです。そしてもう一つ、「価値観が多様化した」ということも、実は寛容力の低下に関わっていると私は感じています。

そうなのですか? 価値観が多様化すれば、いろいろな考え方を受け入れられるようになり、むしろ寛容力が高まるのではと思っていたのですが。

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