お酒は飲むなら1日当たり日本酒1合、ビール1本まで
第3回 日本人は痩せすぎも問題! 適度な運動でリスクは低下
日本人の死因第1位のがん。生涯でがんになる確率は男性63%、女性47%にも達する。毎年36万人以上がこの病気で亡くなり、その数は年々増えている。国立がん研究センターの社会と健康研究センター長の津金昌一郎さんと、がん対策情報センターがん統計・総合解析研究部長の片野田耕太さんに、飲酒と運動について聞いた。

「酒は百薬の長」といわれ、適量の飲酒は、リラックス効果と脳梗塞や心筋梗塞の予防効果が認められている。しかし、1日2合以上飲み続けると、口腔がん、喉頭・咽頭がん、食道がん、大腸がん、肝臓がんになるリスクが上がることもまた事実だ。
「2合以上飲む人がいなくなれば、男性のがんの13%程度は予防できる計算になります。女性は大量飲酒者の割合が少ないものの、飲酒のダメージを受けやすく、1日1合を超えると乳がんのリスクが高まります」と国立がん研究センターの社会と健康研究センター長の津金さんは説明する。
リスクを確実に上げる:肝臓がん・大腸がん・食道がん
飲まない人を1としたがんの死亡リスク。ただし、飲めない人が無理に飲む必要はない。女性は男性以上に飲酒の影響を受けやすい。(厚生労働省研究班による「多目的コホート研究」より)