ダイエットやメタボ対策の定番になった“緩やかな糖質制限”ロカボ。このロカボを提唱したのが糖尿病専門医の山田悟さんです。本連載では、「食べる喜びをしっかり味わいながら健康になる」ことが何よりも大事、と話す山田さんが、ロカボについて医学的根拠から説き起こし、わかりやすく伝えていきます。
今回のテーマは「コンビニ&スイーツ」。最近、コンビニエンスストアの商品は急速に進化しており、以前よりはるかにロカボを実践しやすくなっています。

前回は、外食時にロカボ(緩やかな糖質制限)を実践するポイントをお伝えしました。「主食を半分」「おかずはたっぷり! ただしイモ・根菜は控えめに」「隠れ糖質に注意」の3カ条を外食時に実践できるかがカギとなります(詳しくはこちらの記事を参照)。
最大のポイントは、丼ものやパスタ、ラーメンなどの麺類のように「おかずと主食が一体化したもの」よりも、「セットランチ」や「定食」を選ぶことです。
すると、ごはんやパンの量を自分で調整することができますし、主食を最後にとって血糖値を上がりにくくする、という「カーボラスト」も実践できます。甘い調味料を使った照り焼きや煮物、トマトケチャップベースのソースがかかったハンバーグなどをなるべく避ければ、さほど苦労しなくても、ロカボを実践できるのです。
一方で、ビジネスパーソンの職場の食事を考えるうえで、コンビニエンスストアも欠かすことができない重要要素でしょう。ランチは外食より、コンビニでお弁当やおにぎり、サラダなどを買うという人も少なくないと思います。また、外食派の人も、忙しいときにはコンビニでささっと食事を調達する、というケースもあるでしょう。
コンビニ食、というと、ごはんがたくさん入ったお弁当やカップ麺、おにぎりや菓子パンなどが定番です。「とてもロカボは無理だろう」と思われるかもしれませんね。
でも、ご安心ください。ここ数年でコンビニの商品のラインナップは驚くほど様変わりし、糖質を抑えた商品のバリエーションが増えているのです。
コンビニでロカボを実践するには?
一般的に“健康を意識している”方が、コンビニでお昼ごはんを調達するとしたら、どんなものを選ぶでしょう。
典型的なのが、「おにぎり2個に、ビタミン類を補うために野菜ジュースを1本」という組み合わせでしょう。

この食べ方、一見、ヘルシーに見えますが、糖質の量という視点から見ると、おにぎり1個当たりの糖質は約35~40g、野菜ジュースは1パックで約15~20g、糖質量は合計100g近くになります。その結果、血糖値の急上昇を抑えるためのロカボの基準である「1食当たりの糖質量を20~40gに抑える」を大幅に上回ってしまいます。
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