コレステロールと中性脂肪を減らす4つのポイント
脂質異常症といわれた人がすぐ実践すべきこと
村山真由美=フリーエディタ―・ライター
ビジネスパーソンの多くが気にする、健診結果の「コレステロール」や「中性脂肪」のデータ。結果を見て「まじめに対策を考えないと…」と思っている人も少なくないだろう。今回は、コレステロールや中性脂肪が高い「脂質異常症」を予防・改善するための具体的な食生活を、脂質代謝や抗酸化物質に詳しい品川イーストワンメディカルクリニック理事長の板倉弘重さんに聞いていく。
「脂質異常」の人は、食生活をどう改善すればいいのか?

特集の第1回では、「ここ数年で油の常識が変わってきたこと」を紹介した。健康な人なら油・脂肪の摂取の割合はもう少し増やしていい。しかし「脂質異常」がある人は違う。脂質や糖質をとりすぎている人が多いため、食生活の改善を考える際にはこれらのカットを考える必要が出てくる。
そこで今回は、「脂質異常症」を改善、あるいは予防するためには、食生活をどう変えていけばいいのかを解説していく。
特集のこちらの記事でも紹介したように、脂質異常症には、“悪玉”のLDLコレステロールが高い「高LDLコレステロール血症」、“善玉”のHDLコレステロールが低い「低HDLコレステロール血症」、そして中性脂肪が高い「高トリグリセライド血症」の3つがある。いずれも動脈硬化のリスク因子で、これらを放置すると動脈硬化が進んでしまう(こちらを参照)。
「動脈硬化はかなり進行しないと自覚症状が現れないため、健康診断で脂質異常症といわれても放置する人が多いのです。しかし、動脈硬化が進行すると心筋梗塞や脳卒中を起こす可能性が高くなります。侮ってはいけません」(板倉さん)
健診の脂質の数値は“血管からのお便り”だ。知らぬ間に動脈硬化が進んで重大な病気を起こしてからでは遅いのだ。
脂質異常症は、遺伝的な要因によるケースもあるが、その多くは過食などの悪い食生活や運動不足などの生活習慣によるもの。健診でひっかかった人やだんだん数値が悪くなっている人は生活習慣を見直す必要がある。
脂質異常症の3つのタイプの中で多いのが、高LDLコレステロール血症と高トリグリセライド血症(中性脂肪が高いタイプ)だ。いずれも「食べ過ぎ」が大きな原因となる。一方、低HDLコレステロール血症は他の2つより少ない。こちらは食事より運動の方が効果的だといわれている。