腎機能の低下は生命の危機、症状が出てからでは遅い
第1回 腎臓の働きと慢性腎臓病(CKD)
塚越小枝子=フリーライター
腎臓の異常は自覚症状にほとんど現れない
そんな腎臓に異常が生じて調整がうまくいかなくなると、どんなことが起きてくるのだろうか。
まず、本来なら尿中に捨てられるはずの老廃物が、血液中に残って体内に溜まり、食欲低下や吐き気、だるさ、頭痛などが起きてくる。電解質のバランスが崩れ、ナトリウムが体内に過剰になると、体液量が増加してむくみが生じたり、血圧が上がったりするし、カリウムの濃度が上がれば脱力や不整脈などを引き起こす。赤血球が十分に作り出せなくなると、貧血に陥る。ビタミンDが活性化されなくなると、骨がもろくなる。