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ここまで分かった 発酵食品

現代人に欠かせない味噌・納豆・酢、驚異のパワー

今こそ知りたい伝統発酵食品の底力

 村山真由美=フリーエディタ―・ライター

 ビタミンKだ。「ビタミンKは骨を形成するたんぱく質であるオステオカルシンをつくるために必要で、骨の健康に欠かせません」(小泉さん)

 納豆は味噌と同様にたんぱく質が豊富なため、古くから日本人のたんぱく質供給源としての役割を担ってきたと小泉さん。しかし、生活習慣病や骨粗しょう症の予防に役立つ成分も満載なので、現代人こそとりたい発酵食品ナンバーワンといえるかもしれない。

単なる調味料とはいえない健康効果を持つ酢

 前回「乳酸菌は生きて腸に届く? ビフィズス菌との違いは?」の記事で、乳酸菌やビフィズス菌がつくる「酢酸」について述べたが、酢酸を含む発酵食品には「酢」もある。酢の酢酸は酒に酢酸菌が繁殖してできたものだ。

 酢の酸っぱさのもとは酢酸やクエン酸をはじめとする多種類の有機酸だが、「昔から伝えられてきた酢の健康効果が、科学的に検証されてきている」と小泉さん。エビデンスがある健康効果だけでも、ざっと次のようなものがあるという。

【酢の健康効果】

疲労回復
糖と一緒にとると、失われたエネルギーが素早く補充でき、疲労物質を減らす。
食欲増進
酸味と香りが食べたい気分を刺激し、唾液の分泌を盛んにする。
便秘解消
消化液の分泌をよくし、腸のぜん動を活発にする。
骨粗しょう症予防
食品からカルシウムを溶出させ、骨への吸収を高める。
血圧降下
血圧を上昇させるホルモンの働きをセーブする。
血糖値上昇抑制
糖の分解を穏やかにし、膵臓(すいぞう)の負担を軽減する。
ビタミンCの破壊防止
酸素や食品中の酵素に作用して分解を防ぐ。

 酢にはこれだけの健康効果があり、「これらの効果は1日大さじ1杯(15ミリリットル)とれば得られる」という。それならば、とらない手はないだろう。

 「酢の消費は『西高東低』です。西日本は東日本に比べて暑いために、さっぱりした味を好み、食品の保存性という観点からも酢を大切にする食文化が育まれたのでしょう。反対に、食塩は『東高西低』です。酢をよく利用する地方は、塩分摂取が抑えられているともいえます」(小泉さん)

 酢は単なる調味料とはいえないほどの健康効果があるので、積極的に活用してほしいと小泉さん。次回は、塩こうじやカツオ節など、日本の食卓に欠かせない「カビ系の発酵食品」について解説しよう。

小泉幸道(こいずみ・ゆきみち)さん
東京農業大学名誉教授
小泉幸道(こいずみ・ゆきみち)さん 1951年生まれ。1973年東京農業大学農学部醸造学科卒業。1997年東京農業大学教授に就任。専門は発酵食品学。発酵食品の科学的な成分変化と機能性に関する研究を行ってきた。著書に「NHKあさイチ 驚きの効果 ハチミツ&酢のパワー (生活実用シリーズ)」(NHK出版)、「元気がほしいカラダには酢が効く!―酢の健康パワーと痩身効果」(学習研究社)などがある。

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