日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > からだケア  > こちら「メンタル産業医」相談室  > 年末年始から始めたい 「冬うつ」予防の4つの策
印刷

こちら「メンタル産業医」相談室

年末年始から始めたい 「冬うつ」予防の4つの策

第18回 こちら「メンタル産業医」相談室

 奥田弘美=精神科医(精神保健指定医)・産業医・作家

こんにちは、精神科医で産業医の奥田弘美です。冬将軍が支配する寒さ厳しい季節です。あなたの心と体はお元気でしょうか? 今回は、極寒の季節に心がけていただきたいセルフケアについてお話ししたいと思います。

冬はうつになりやすい?

2年以上続けて秋~冬にうつ症状が出現し、季節以外の明らかな原因が見当たらない場合は「冬うつ」の可能性がある(c)Antonio Guillem-123rf

 最近、雑誌やウェブサイトなどで「冬うつ」という言葉を目にすることが増えました。「冬うつなんて病名、本当にあるの?」と怪しく思う方もいるでしょうが、これは医学的には季節性情動障害(Seasonal Affective Disorder; SAD)と呼ばれている、うつ病のサブタイプの一つです。冬季うつ病 (Winter Depression)、季節性気分障害(Seasonal Depression)、季節性感情障害などとも呼ばれます。

 秋から冬にかけて抑うつが始まり、春や夏になると治まるという特有のサイクルを繰り返します。このため「反復性冬季うつ病」と呼ばれることもあります。

 症状としては、ほぼうつ病と同じで、「気分が落ち込む(特に午前中)」「気力や集中力が落ちる」「イライラや不安感がひどくなる」「物事を楽しめなくなる」「人と会いたくない」「性欲が落ちる」といった症状が出ます。食欲と睡眠に関しては、典型的なうつ病とは異なり、「炭水化物や甘い物が異様に欲しくなる」「いくら寝ても眠く、過眠傾向になる」といった症状が出やすいとされています。

 これらの抑うつ症状が、2年以上続けて秋~冬に出現しており、春になると軽快する。かつ、季節以外の明らかな原因が見当たらない場合に、季節性情動障害(冬季うつ病)と診断されることになります(正確な診断は精神科・心療内科の専門医から受けてください)。

日照時間の減少が関係?

 季節性情動障害の発症には、冬場の日照時間の減少が大きく関連していると考えられています。日照時間が減り、脳内のセロトニンの分泌が減ることで、気分の低下が起こったり、睡眠をつかさどるメラトニンの分泌がアンバランスになったりすることが原因と考えられていますが、まだ解明されていない部分も多い病気です。

 治療としては、基本的な抗うつ剤などを用いた薬物療法とともに、日光浴をしっかり行うことが推奨され、場合によっては光照射療法(5000~1万ルクス程度の光を30分~1時間程度照射)が行われることもあります。典型的な季節性情動障害は、男性より女性に圧倒的に多いといわれています。

男女関係なく、ビジネスパーソンは注意を!

 しかし、「男性だから」「冬だけ落ち込むという経験はないから」と安心してはいけません。私の産業医としての経験から、冬の極寒期は男女ともに働く人は体調を崩しやすく、それを契機にうつなどの心の病気も発症しやすい傾向があると感じています。

1/3 page

最後へ

次へ

RELATED ARTICLES関連する記事

からだケアカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • もの忘れと将来の認知症の関係は?

    「名前が出てこない」「自分が何をしようとしたのか忘れる」…。“もの忘れ”は、ミドル以上なら誰にでも経験があるもの。本特集では、もの忘れの原因は何なのか、将来の認知症につながるのかなどについて紹介する。

  • 健康寿命を左右する「全粒穀物と食物繊維」の摂取方法

    今、世界的に「全粒穀物」の健康効果が注目されている。全粒穀物の摂取が増えるほど、がん、心血管疾患、総死亡率が低くなるという研究報告も出ている。その健康効果の中核となっているのが「食物繊維」だ。食物繊維が体にいいことはよく知られているが、主に便通などに影響するものと軽視されがち。だが、食物繊維不足は生活習慣病と密接な関係がある。本特集では、主食の選択が及ぼす健康効果から、注目の大麦の健康効果、穀物以外の食物繊維のとり方までを一挙に紹介する。

  • 「胃がん」撃退のため知っておきたい最新情報

    これまで多くの人の命を奪い、「死の病」であった胃がんが、「ピロリ菌」除菌の登場によって未然に防ぐことができる病気になってきた。また、万が一胃がんになってしまった場合も、胃カメラによる検診を定期的に受けていれば、超早期の段階で見つけて治療し、胃の機能をほとんど損ねることなく日常生活に戻ることができる。本特集では、近年死亡率が大きく減少している胃がんの最新事情をまとめる。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2018 Nikkei Inc. All rights reserved.