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こちら「メンタル産業医」相談室

ストレスチェックを機に「最強の自分」を作る方法

第15回 自分の弱点を知り、他者との関係作りに生かそう

 奥田弘美=精神科医(精神保健指定医)・産業医・作家

 「疲労感」が強い場合は、普段より休息を多めにとり、睡眠不足があればしっかり睡眠をとって解消してください。睡眠は普通の体質の方ならば1日6時間以上が健康のために必要です。睡眠不足が続いていると体の倦怠感がひどくなり、集中力だけではなく活気も大幅に落ちていきます。詳しくは第4回「『睡眠負債』返済できてる? こんな兆候には要注意!」をご覧ください。

 また食事がきちんととれているかも見直してみましょう。カロリーだけ足りていても、疲労回復物質であるたんぱく質やビタミン・ミネラルが不足している食事を続けていると、疲労が解消されません。食事については、第9回「ストレス・疲労に負けない食事の基本は『赤黄緑を1:1:1』」に詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 「疲労感」と連動して、「イライラ感」が要注意ゾーンに近くなっている方も少なくありません。体に疲労がたまっていると、精神的な寛容性が低くなり、イライラしやすくなってきます。イライラと体の疲労を紛らわせるために、たばこやコーヒー、アルコール、チョコレートなど甘い物の量が増える人や、神経が高ぶるため寝つきが悪くなる人もいます。さらにイライラが高じるとささいな出来事でつい部下をきつく怒ってしまったり、普段なら気にならないことで家族に切れてしまったり…と人間関係の悪化の原因にもなっていきます。つまり体の疲労が高じると、冷静な判断力が低下してしまうのです。

睡眠、食事を改善してもイライラが治らなければ…

 睡眠や食事を改善して体の疲労を抜いてみても、イライラが自分でコントロールできない人は、精神科や心療内科の受診を検討してみましょう。

 「活気の低下」「疲労感」「イライラ感」などとともに、「不安感」「抑うつ感」が要注意ゾーンに入ってきている方は、メンタル不調の可能性が高まります。

 「不安感」は、メンタル不調になりかかっているときに悪化しやすい症状です。大きなプロジェクトや重要な商談の前に不安になるのは自然な感情ですが、不安感が過度に続いていて、日常生活に悪影響を及ぼしているようなら医療受診を検討してください。例えば少し上司にミスを注意されただけで「嫌われているに違いない」と過剰に反応して仕事が手につかなくなってしまったり、ネットで下流老人やがんの記事を読んだだけで「自分は大丈夫だろうか」と心配になって眠れなくなったり…。メンタル不調になってくると、このような尋常ではない不安感が悪化してきます。

 「抑うつ感」は、憂うつさ、もの悲しさ、むなしさなどの感情のことですから、これが要注意ゾーンに入っていると、うつ病などのメンタル不調のチェックが必要になってきます。「何をしても楽しくない」「気分が晴れない」「憂うつだ」といった抑うつ感情や、尋常ではない不安感が2週間以上ほぼ毎日続いていて、仕事や生活に影響が出てきている場合は、迷わずに心療内科や精神科などの医療受診を行ってください。

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