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こちら「メンタル産業医」相談室

増える「パワハラ」による精神疾患、まず正しい知識を

第12回 こちら「メンタル産業医」相談室

 奥田弘美=精神科医(精神保健指定医)・産業医・作家

 同HPによると、パワハラは6つの類型に分けられています。

1 身体的な攻撃……たたく、殴る、蹴るなどの暴力行為。物や書類を投げつける。壁に向かって投げるなど、体に当てなくとも、暴力的な威嚇行動はすべてここに入る。

2 精神的な攻撃……同僚の目の前で叱責したり、他の職員を宛先に含めてメールで罵倒する。必要以上に長時間にわたり繰り返し叱責する。「バカ」「のろま」「アホ」などの言葉を毎日のように浴びせる。「やめてしまえ」「クビにするぞ」などの社員としての地位を脅かす言葉、「おまえは人として最低だ」「無能」などの侮辱、名誉毀損に当たる言葉も全てここに入る。

3 人間関係からの切り離し……1人だけ別室に離される。強制的に自宅待機を命じられる。課全体の歓送迎会やミーティングに1人だけ入れない、話しかけても無視されるなど、明らかな仲間外れ行為を行うなど。

4 過大な要求……能力や経験を超える無理な指示で他の社員よりも著しく多い業務量を課す。業務上のささいなミスについて見せしめ、あるいは懲罰的に、就業規則の書き写しや始末書の提出を何枚も求めるなど。

5 過小な要求……いわゆる仕事を干す行為。業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや、仕事を与えない。

6 個の侵害……有給休暇の取得理由を執拗に問うたり、内容によっては取得を認めない、プライベートについてしつこく尋ねる、飲み会への参加を強要する、服装や見た目を人前でからかうなど、管理職としての権限を利用して私的なことに立ち入ったり不適切な発言を行うなど。


 いかがでしょうか? あなたの職場で当てはまる状況は発生していないでしょうか? 改めてじっくり考えてみると、「もしかしたらパワハラに入るのかも?」と思われる状況があったかもしれません。

気づかないうちに進む「パワハラの世代間連鎖」

パワハラは連鎖する。そして、それが自身にも起こっていることに気づかない人は意外に多い(c)Dmitriy Shironosov-123rf

 パワハラは、それが当たり前のように日常茶飯事に行われている環境にい続けると、「慣れ」が生じてしまいます。「これが普通のことなんだ」と感覚がマヒしてしまうのです。

 そのため被害者は心身に不調をきたすまで我慢し続けてしまい、第三者に指摘されて初めてパワハラを受けていたことに気づくというケースも散見されます。ちなみに私の経験上、「わが社は体育会系でして…」と自慢げに言う管理職や取締役がいる小さな会社は特に要注意だと感じます。

 ある程度規模が大きくなり人事部門が独立してプロフェッショナル的に動いている会社ではチェック機能が働きやすいのですが、規模が小さな会社の場合は「これがわが社の社風」で片付けられていることが結構あります。

 特に管理職や取締役が、実際にバリバリの体育会系部活の経験者で、自分自身が若い頃からコーチや監督に口汚い言葉で罵られたり、権力を乱用した指導を受けてきた場合は、「人を指導するときには、そういう言い方をしてよいものだ」と悪気もなく思っていることがあります。いわゆる「パワハラの世代間連鎖」です。

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