日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > からだケア  > こちら「メンタル産業医」相談室  > 「隠れ疲労」の兆候を感じたら、何も予定を入れない休日を  > 2ページ
印刷

こちら「メンタル産業医」相談室

「隠れ疲労」の兆候を感じたら、何も予定を入れない休日を

第24回 夏うつ予防のための休日の過ごし方

 奥田弘美=精神科医(精神保健指定医)・産業医・労働衛生コンサルタント

 私はこれを「Beingモード」の休日と名付けています。「Being」とは、「ありのまま、あるがまま」ということ。心理学やマインドフルネス瞑想(めいそう)で心のあり方としてよく使われますが、ここでは「心のおもむくままに過ごす」という意味で使っています。つまりその日の自分の心の声に正直になって、家で休みたければ休む、人と会いたくなければ一人でいる、散歩に行きたくなればふらりと行くといった過ごし方です。

疲れがたまっているときは、体力消耗度の高い運動は控えましょう。写真はイメージ=(c)maridav-123RF

 片や、習い事に行く、家族や友人とレジャーや遊びに興じる、セミナーに参加するなど「何かをしようとする休日」は、「Doingモード」の休日です。「Doing」は、多かれ少なかれ緊張を促す交感神経を活性化させてしまうのが特徴です。

 時間に追われ、「ねばならない」という感覚が強くなればなるほどリラックス度が乏しくなり、体力・気力が消耗されます。隠れ疲労の方は、資格取得などの勉強系セミナーや、体力消耗度の高いトレーニングやハードなスポーツなどの、自分を緊張させたり頑張らせたりするタイプの予定はしばらく控えることをお勧めします。

 雑誌やウェブサイトでは、「健康のために1週間に一度は汗をかくような運動をしましょう」などとよく書かれていますが、強度の高い運動は、あくまでも心身が健康なときにプラスアルファとして行う健康法です。ストレスや睡眠不足で自律神経系が乱れかけている状態で、激しいスポーツやトレーニングをやると、さらに疲労が蓄積して症状が悪化しかねません。サッカーや長距離マラソン、ハードな筋トレや登山といった強度の高い運動をしている方は、くれぐれも無理をされないようにしてください。

 ちなみにヨガやピラティス、マインドフルネス瞑想(めいそう)、心理系セミナーなど、昨今は疲労やストレス対策をうたった習い事や研修も多数開催されていますが、これらも体力消耗は激しくないものの「習い事や研修に参加する」という点で「Doing」の一種となるので要注意です。体力や気力にさほど問題がない場合は参加してもよいと思いますが、そもそも他人の中に出かけていき親しくない人とコミュニケーションをとる、時間に縛られて行動する、新しいことにチャレンジすること自体が交感神経の緊張を上乗せし、気力が消耗する原因になります。ご自身の心と体の疲労度に合わせて、習い事やセミナーへの参加は賢く取捨選択するとよいでしょう(*1)。

 また、たとえ親しい仲間との遊びや慣れ親しんだ趣味の予定であっても、午前中に予定を入れてしまうと、「○時に起きて、○時に駅に行って…」と交感神経がピリピリ働いてしまうので、深いゆったりした睡眠がとれなくなる恐れがあります。隠れ疲労度が高い人ほど、リラックスして深い睡眠をしっかり取りましょう。せめて午前中には予定を入れず、睡眠不足気味の方は普段より2~3時間多めの睡眠をとって1週間の睡眠負債をしっかり返しましょう。

睡眠負債もしっかり返す

 ちなみに「睡眠リズムを狂わせないために休日も平日と同じ睡眠時間がよい」という専門家もいますが、それは睡眠時間が平日でもきちんと確保できている人に対しての見解です。

*1 すでに習得しているマインドフルネス瞑想やヨガ、ピラティスなどを、自宅や慣れ親しんだ場所などで、時間に縛られずにゆったりと自分のペースで行うのは、「Beingモード」に入りますので疲労時に行っても差し支えありません。

RELATED ARTICLES関連する記事

からだケアカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 健康寿命を左右する「全粒穀物と食物繊維」の摂取方法

    今、世界的に「全粒穀物」の健康効果が注目されている。全粒穀物の摂取が増えるほど、がん、心血管疾患、総死亡率が低くなるという研究報告も出ている。その健康効果の中核となっているのが「食物繊維」だ。食物繊維が体にいいことはよく知られているが、主に便通などに影響するものと軽視されがち。だが、食物繊維不足は生活習慣病と密接な関係がある。本特集では、主食の選択が及ぼす健康効果から、注目の大麦の健康効果、穀物以外の食物繊維のとり方までを一挙に紹介する。

  • 「胃がん」撃退のため知っておきたい最新情報

    これまで多くの人の命を奪い、「死の病」であった胃がんが、「ピロリ菌」除菌の登場によって未然に防ぐことができる病気になってきた。また、万が一胃がんになってしまった場合も、胃カメラによる検診を定期的に受けていれば、超早期の段階で見つけて治療し、胃の機能をほとんど損ねることなく日常生活に戻ることができる。本特集では、近年死亡率が大きく減少している胃がんの最新事情をまとめる。

  • 寝ても取れない疲れを取るには?

    「疲労大国」といわれる日本。「頑張って仕事をすれば、ある程度疲れるのは当たり前」「休む間もないほど忙しいが、やりがいがあるから、さほど疲れは感じない」などと思っている人も多いかもしれない。だが、睡眠時間を削るような働き方を続けていると、知らぬうちに疲れはたまる。結果、「寝てもなかなか疲れがとれない」という状態に陥るばかりか、免疫力の低下や、生活習慣病の発症につながることは多くの研究で知られている。疲労の正体から、疲労回復の実践的な方法までをまとめた。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Goodayマイドクター申し込み

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2018 Nikkei Inc. All rights reserved.