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こちら「メンタル産業医」相談室

太らない人が密かに実践している「3つの食習慣」

第10回 空腹感を無視した食べ方をしていませんか?

 奥田弘美=精神科医(精神保健指定医)・産業医・作家

 これは最近「血糖値スパイク」と呼ばれ注目されている状態で、血糖値が急降下していくときに、胃がもぞもぞとして「おなかがすいたような落ち着かない妙な感じ」が起こります。ひどいときには空腹感だけではなく、眠気、脱力感、動悸(どうき)、冷や汗、頭がぼーっとする、イライラするなどの症状が起こることもあります。

 血糖値スパイクによる空腹感は「前に食べた食べ物のエネルギーを使い切りましたよ」という体の合図ではなく、いわゆる「偽の空腹感」のようなもの。この偽の空腹感を防ぐ意味でも、「赤黄緑を1:1:1」の栄養バランスが基本となります(詳しくは「ストレス・疲労に負けない食事の基本は『赤黄緑を1:1:1』」を参照) 。

 これらを組み合わせて食べると、血糖値の急上昇・急降下が起こらず、緩やかに上昇して緩やかに下降していくために「おなかがすききるまで」の時間が長くなります。ちなみに体重を減らしたいときは、赤:黄:緑の割合を「1:0.5:1」ぐらいに変更しても問題ないと考えます。

[画像のクリックで拡大表示]

食べる順番も侮れない

 さらにダイエット効果を狙う人は、食べ順にも一工夫してみましょう。

お勧めの食べ順

「緑グループ」「赤グループ」「黄グループ」


 上記の食べ順は、血糖値がゆっくり上がりゆっくり下がるために、膵臓(すいぞう)に負担が生じにくく糖尿病の食事法としても推奨されている食べ方です。また、先に野菜や主菜を食べることで胃袋が満たされますので、自然に無理のない緩やかな低糖質の食事にもっていくことができます。

 ちなみに糖質を1日50グラム以下に減らす極端な低糖質ダイエットは医学的にも安全性が疑問視されているので、私はお勧めしていません(産生されたケトン体が血管内皮細胞にダメージを与える可能性を示唆する報告もあります(*1))。また、極端に糖質を避けると、抑圧されていた糖質への欲求によって、ダイエット終了後に反動がきて過食に転じる恐れがあります。

*1 Br J Nutr. 2013 Sep 14;110(5):969-70.

 日本人(特に女性)は炭水化物や甘い物が好物という人が多く、「厳しい糖質制限や断食ダイエットで数キロやせたあと、スイーツのドカ食いが止まらなくなった」という人に私自身も複数人出会ったことがあります。知人の内科医師も「自己流で極端な糖質制限ダイエットをしたあと、反動で無茶苦茶に食べてしまう患者さんが増えてきて困っている」とこぼしていました。

 緩やかな低糖質食ならば、こうしたストレスによる反動を回避できますので、緑→赤→黄の順番食べの後、「腹8分目ラインで箸を置く」ことを実践すると、無理のない範囲で低糖質系の食事を末永く維持できます。

 次回は、ポイント2「腹8分目ラインで箸を置く」と、ポイント3「寝る時刻の2~3時間前からは何も食べない」について詳しくご説明します。


こちら「メンタル産業医」相談室

第9回 ストレス・疲労に負けない食事の基本は「赤黄緑を1:1:1」
第8回 連休の過ごし方に注意!「変化疲れ」が五月病の原因に【後編】
第7回 連休の過ごし方に注意!「変化疲れ」が五月病の原因に【前編】
第6回 過労死は「好きで仕事をしている人」こそ注意を
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奥田弘美(おくだ・ひろみ)さん
精神科医(精神保健指定医)・産業医・作家
奥田弘美(おくだ・ひろみ)さん 1992年山口大学医学部卒。精神科臨床および都内18カ所の産業医として日々多くの働く人のメンタルケア・ヘルスケアに関わっている。著書は「1分間どこでもマインドフルネス」(日本能率協会マネジメントセンター)、「一流の人はなぜ眠りが深いのか」(三笠書房)など多数。日本マインドフルネス普及協会を立ち上げ日本人に合ったマインドフルネス瞑想の普及も行っている。

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