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こちら「メンタル産業医」相談室

新型コロナでストレス高まる春、対策は? 睡眠は6時間以上確保

第40回 ストレスを和らげるセルフケア術

 奥田弘美=精神科医(精神保健指定医)・産業医・作家

(2)栄養バランスのとれた食事で体力・気力・抵抗力を維持

肉や魚などの動物性たんぱく質は特にしっかり食べましょう。写真はイメージ=(c) puhhha-123RF

 体力と気力、そして抵抗力にとって睡眠と同じくらい大切なのが、食事です。良質な栄養をしっかり摂取しないと、免疫を担うリンパ球も体調を整えるホルモン類も材料不足のため体内で作れなくなります。不安を和らげ良好な精神状態を保つためのセロトニン、ドーパミンといった脳内物質も、もちろん私たちが摂取する食事を原料にして合成されています。安易なファストフードやスナック類で食事を済ますことなく、1日最低2食は栄養バランスのしっかりとれたメニューを食べて栄養を十分に体に取り入れてください。

 大まかな栄養バランスは、たんぱく質(肉・卵・魚類・大豆製品)、ビタミン・ミネラル類(野菜、海藻、果物類)、炭水化物や糖質(ご飯、パン、麺類など)を組み合わせた定食風のメニューを選ぶと整えることができます。特に肉、卵、魚類などの動物性たんぱく質には疲労回復物質が豊富に含まれていますので、できるだけしっかりと摂取しましょう。詳しい量や内容については、拙稿「ストレス・疲労に負けない食事の基本は『赤黄緑を1:1:1』」を参考にしてください。

 ちなみにコロナストレスがまん延している現在は、過激なダイエットは厳禁です。厳しすぎる超糖質制限ダイエットや断食ダイエット、単品系ダイエットなどは中止して、ゆるやかに体重が減るタイプのダイエットに変更されることをお勧めします。

(3)心身をゆったり「緩める時間」を意識して増やす

心身の緊張を緩めるリラックスタイムを意識的につくる。写真はイメージ=(c) baranq-123RF

 抵抗力を落とさないためには、過緊張を防ぐことが大切です。自律神経系の交感神経は俗に「活動の神経」といわれ、心身を緊張状態にしてオンタイムの活動に適した状態に体を整えます。しかし交感神経が優位な状態が続くと、全身の筋肉が緊張したままとなり脈拍も血圧も高めになって体内のエネルギーがどんどん使われます。また脳の覚醒状態が維持されるため、寝つきが悪く眠りが浅くなり、良い睡眠が取れなくなってしまいます。

 日本の働く人はただでさえ交感神経が過緊張気味の人が多く、さらに3月4月は環境変化のために緊張度が高くなりやすいのですが、今年はさらにコロナクライシスにより精神的な緊張度が通常の春に比べて高まりやすくなっています。今年の春は「心身の緊張を緩める時間」をより意識して確保していくことをお勧めします。

平日の夜の過ごし方……平日の夜は、早めにIT機器をオフにして、ゆったりとソファに横になって心地よい音楽を聴いたり、毒気のないお笑い番組を見たりしながら、のんびりと過ごしましょう。気の置けない家族やパートナーとのゆったりとした団らんもお勧めです。

 こうした心身を緩める時間は、自然な眠気を誘い深い睡眠につながっていきます。コロナ情報を扱う番組の視聴は、疲労度や緊張度が高いときは避けた方がよいでしょう。SNSでのあまり親しくない他者との交流は、精神的なリラックスを妨げることがあるため控えめにした方が無難です。

休日の過ごし方……休日は予定をできるだけ入れず、ゆったりと時間に縛られない生活を送りましょう。楽しい遊びの予定であっても、タイトな時間に縛られていると心の自由度が下がり、緊張度が上がりやすくなります。休日は「気の向くままに、のんびりと過ごす」のが一番リラックスします。疲れているときは自宅でぐうたらしていてももちろんOKです。気分転換したいときも、体が疲労しない程度の運動や外出がベストです。予定を入れるにしても、ゆったりスケジュールで極力時間にせかされないようにしましょう。

 以上、春のストレスを和らげるセルフケア術をご紹介しました。ぜひご自身の体調維持、抵抗力アップに役立ててください。次回はコロナショックでたまりがちなストレスを発散するための方法について考えてみたいと思います。お楽しみに。


こちら「メンタル産業医」相談室

第39回 「次の異動先は…」 不本意な人事に悩んだときの心の切り替え方
第38回 子育てと仕事で大変な方へ ストレス防止のための3つの「ない」
第37回 子育てと仕事、元気に両立するには? 子持ち産業医からのエール
第36回 部下がメンタル不調 そんなときの上司・会社の対処法
第35回 酷暑で自律神経がピンチ! 夏バテを予防する4つのケアとは?
奥田弘美(おくだ ひろみ)さん
精神科医(精神保健指定医)・産業医・労働衛生コンサルタント
1992年山口大学医学部卒。精神科医および都内約20カ所の産業医として働く人を心と身体の両面からサポートしている。著書には『1分間どこでもマインドフルネス』(日本能率協会マネジメントセンター)、『心に折り合いをつけて うまいことやる習慣』(すばる舎)など多数。日本マインドフルネス普及協会を立ち上げ日本人に合ったマインドフルネス瞑想(めいそう)の普及も行っている。

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