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こちら「メンタル産業医」相談室

春のメンタル不調対策、意識的な「手抜き」で緩み時間を増やす

第20回 睡眠は「多め」、家事は「手抜き」、休日は「近場」で

 奥田弘美=精神科医(精神保健指定医)・産業医・作家

 日本人に起こりやすい「春の変化」をざっと挙げてみましょう。まず、誰にも平等に発生する変化としては、外気温の変化が挙げられます。春先は三寒四温と呼ばれ気温が10度近く変化する日が続きます。また菜種梅雨(なたねづゆ)、春雨といった言葉があるように、気圧が不安定になって雨が降る日も多くなり、冬と比べて天気も変化しやすくなります。そのため日本人の誰もが自律神経系が疲労しやすい状態にあります。

春は異動、昇進、入学、卒業など何かと「変化」が多い。写真はイメージ=(c)Leung Cho Pan-123RF

 加えて社会的な変化も目白押しです。職場では、新人が入ってきたり、異動で同僚や上司が入れ替わったりと、人間関係の変化がほとんどの人に発生します。プロジェクトチームの変更もよくされます。さらに自分自身に昇進、異動、単身赴任など大きな環境の変化が起こることもあります。

 プライベートでは、子供の卒業、入学、就職や、同居する家族の異動・転勤などで、家庭内の雰囲気や生活リズムが変化することも多いでしょう。そのほかにも、PTAや地域の役員などが改選されて新たな活動が増える人もいます。さらに自分自身の引っ越しや、隣人の入れ替わりなどで住環境が変化する人も少なくありません。

症状がなくても安心はできない?

 こうした「周りの変化に対応できなくて、心身が疲れ果ててしまう」と、3~4月あたりにメンタル不調や体調不良が発生してしまいます。明らかな症状が出ていないからといって安心はできません。変化が目白押しのこの時期には、自覚のないままに「気疲れ」が蓄積し、体力を消耗させている人が少なくありません。木の芽時に不調が顕在化しなくても、5月の連休前後に「五月病」として、疲れが表に出てくるケースも多々あります。

 特に現代社会で働く人は、普段からストレス過多で交感神経(自律神経系の一つ)を過剰に働かせて「過緊張状態」になりやすい傾向があります。食事や休憩時間にも仕事に追われてリラックスできない、夜、帰宅した後も日中の出来事が気になって頭から離れない、といった緊張状態が慢性化している人に、上記に挙げたような「春の変化」が立て続けに起こると、自律神経系の疲労が一気に加速してしまいます。「春の変化」が、ご自身にいくつも起こる可能性のある人ほど、今から意識的なセルフケアが必要です。

副交感神経を優位にさせる「緩み時間」を作ろう

 春の変化ストレスに対抗するコツは、一言で言うと「副交感神経を優位にさせる時間を意識的に増やすこと」です。自律神経系は、心身を緊張させる交感神経と、逆にリラックス状態にする副交感神経が車の両輪のようにバランスをとることで正常に機能します。普通はこのバランスは生体内で無意識に調整されているのですが、春に変化が多い人は、交感神経系ばかりが活性化してしまいますので、生体の自動調整能力が追い付かなくなりやすい。そのため意識的に副交感神経系を活性化させてあげるとよいのです。

 私はこの副交感神経系を活性化させる時間のことを「緩み時間」と名付け、過緊張になりがちなビジネスパーソンに次のような方法を具体的に提案しています。

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