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あの人のカラダマネジメント術

マラソン野口みずきさん 失業の中で育んだプロ意識

元五輪女子マラソンメダリストに聞く(1)

 高島三幸=ライター

「ハーフの女王」として頭角を現す

そんな中、99年に犬山ハーフマラソン(愛知県)に挑戦されます。

 招待いただいて。それまで3000メートルや1万メートルのトラック種目の練習をしていましたが、スピード勝負のトラックより、長い距離の方が適性があると監督やコーチに背中を押され、チャレンジすることに。少しずつ練習の距離を伸ばしていくと、食事面で意識していたことも手伝って体も絞れてきて、タイムも速くなっていきました。ワコール時代は管理されていたのに太ってしまったので、自分で意識してコントロールすることは大切だと思いますね。そうして、ハーフマラソン初出場で初優勝できました。

そのタイミングで、監督らと一緒に新しい所属先のグローバリーへ移籍されます。

 不況で就職難だった時に援助してくださったことがありがたくて、「社長やチームメイトと一緒に新しいチーム作るんだ!」というモチベーションが高まりました。社会人1、2年目は、好きなことでお給料をもらえることが恵まれているのだと気づきませんでした。失業を経験したおかげで、対価をもらっているからこそ結果を出さなければというプロ意識がさらに強まり、結果も面白いように出始めて、楽しくて仕方がなかったです。

 もう一人の同期の田村育子選手と切磋琢磨(せっさたくま)したのもあって、2人で試合に出るたびに自己記録を更新して、どんどん自信もついてきました。すると、練習もさらに能動的になるんです。監督やコーチから言われる練習の設定タイムよりも、「もっと速く走ろう!」と自分自身で追い込んで走っていました。

監督やコーチはどんな指導をされたんですか?

 選手の個性を生かした練習メニューでした。私は昔からストライド(歩幅)が大きい走りでしたが、それがうまく推進力につながっていなかったんです。そこで、フォームを大きく変えずにストライド走法(*1)が生きるように、広瀬コーチに修正してもらいつつ、腿(もも)上げといった短距離選手がウオーミングアップでやるドリル(動きづくり)を練習に取り入れました。ストライド走法でフルマラソンは持たないと周りに言われたのですが、スピードを維持しながら長い距離を走るために、他の長距離選手よりはウエートトレーニングや補強、動きづくりを多くやっていました。

 監督やコーチに指示されたトレーニングだけでなく、自分でも工夫していました。腰高ですごくかっこよい走り方の同期のフォームをまねするなど、とにかくいろんな選手の走り方を観察しましたね。目に焼き付けてまねして体に覚えさせて、自分が一番走りやすくスピードが出るフォームを模索していったイメージです。

*1 ストライド(歩幅)を広くした走り方。歩幅を狭くし足の回転数(ピッチ)を上げるピッチ走法と比較されることが多い。
シドニー五輪の高橋尚子選手の金メダルに刺激を受けたという

追い詰められた時の対処法

99年の世界ハーフマラソン選手権で銀メダルを獲得。その後も数々の国内大会で優勝し「ハーフの女王」として頭角を現しましたが、フルマラソンに挑戦しようと思った理由は?

 ハーフマラソンでは世界で入賞し、1時間8分台を出せる実力がついたので、監督やコーチからフルマラソンに挑戦したら面白いかもと言われ、私も挑戦したい気持ちが高まりました。

 最終的な引き金は、高橋尚子さんがシドニー五輪で金メダルを獲得されたときの映像を見ながら、あの大歓声を私も独り占めしたいと強く思ったことです。先輩方が「自分もやれるかもしれない」という道筋を残してくださったことは、とても大きかったですね。

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